バークシャー・ハサウェイのチャーリー・マンガーが支援する外部ファンド・マネージャー、リー・ルー氏は、『最大の投資リスクは価格の変動ではなく、資本が永久に失われるかどうかだ』と言って、そのことを強調していない。 だから、ある銘柄のリスクがどの程度かを考えるときに、負債を考慮する必要があるのは明らかかもしれない。 他の多くの企業と同様、富士電機株式会社(東証:6504)も負債を負っている。(東証:6504)は負債を利用している。 しかし本当の問題は、この負債が会社をリスキーにしているかどうかだ。
なぜ負債がリスクをもたらすのか?
有利子負債やその他の負債が企業にとってリスクとなるのは、フリーキャッシュフローや魅力的な価格での資本調達によって、その負債を容易に履行できない場合である。 資本主義の一部とは、失敗した事業が銀行家によって容赦なく清算される「創造的破壊」のプロセスである。 しかし、より一般的な(それでも痛みを伴う)シナリオは、低価格で新たな株式資本を調達し、株主を恒久的に希薄化させることである。 もちろん、負債の利点は、それがしばしば安価な資本を意味することであり、特に企業の希薄化を高い収益率で再投資する能力に置き換えた場合である。 企業がどの程度の負債を使用するかを検討する際に最初に行うべきことは、現金と負債を合わせて見ることである。
富士電機の純負債額は?
2024年9月時点の有利子負債は727億円と、前年の947億円から減少している。 ただし、現金は654億円あるため、純有利子負債は72.9億円となる。
富士電機のバランスシートの健全性は?
直近の貸借対照表を見ると、1年以内に返済期限が到来する負債が3,975億円、それ以降に返済期限が到来する負債が1,550億円ある。 これらの債務と相殺される654億円の現金と、12ヶ月以内に支払う2,420億円の債権がある。 つまり、負債は現金と短期債権の合計より2,450億円多い。
富士電機の時価総額は12.2億円であり、増資によってバランスシートを強化することは可能だろう。 しかし、借入金を返済していく能力については注視する価値がある。 純有利子負債はほぼゼロであり、富士電機の負債負担は実に軽い。
企業の収益に対する負債を評価するには、純有利子負債をEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)で割り、EBIT(利払い前・税引き前利益)を支払利息(インタレストカバー)で割って計算する。 このアプローチの利点は、有利子負債の絶対額(EBITDAに対する純有利子負債)と、その有利子負債に関連する実際の支払利息(インタレストカバー率)の両方を考慮することである。
富士電機のEBITDA純有利子負債比率はわずか0.044である。 ユーモラスなことに、富士電機は過去12ヶ月間、実際に支払わなければならなかった利息よりも多くの利息を受け取っている。 つまり、この会社が、熱狂的なスプレー・タンナーがオレンジ色に染まるのと同じくらい簡単に負債を背負うことができるのは間違いない。 また、富士電機が昨年、EBITを15%伸ばしたことで、負債の負担が軽くなったことも温かく見守りたい。 負債水準を分析する際、バランスシートは明らかにスタート地点である。 しかし最終的には、事業の将来の収益性が、富士電機が長期的にバランスシートを強化できるかどうかを決定する。 プロフェッショナルの意見を知りたいなら、アナリストの利益予測に関する無料レポートが面白いかもしれない。
最後に、企業が負債を返済できるのは、会計上の利益ではなく、冷厳な現金だけである。 そこで論理的なステップは、実際のフリー・キャッシュ・フローがEBITに占める割合を見ることである。 直近の3年間を見ると、富士電機のフリーキャッシュフローはEBITの46%であり、これは予想よりも低い。 このキャッシュフローの低さが、負債の処理を難しくしている。
当社の見解
富士電機の金利カバーは、クリスティアーノ・ロナウドが14歳以下のGK相手にゴールを決めるのと同じくらい簡単に負債を処理できることを示唆している。 EBITDA(支払利息・償却・税引き前利益)に対する純有利子負債の比率も心強い。 上記の様々な要因を考慮すると、富士電機はかなり賢明な負債の使い方をしているように見える。 つまり、株主還元を高めるために、もう少しリスクを取っているということだ。 他の多くの指標よりも、一株当たり利益がどれくらいのスピードで成長しているかを追跡することが重要だと考える。というのも、本日、富士電機の一株当たり利益の推移をインタラクティブなグラフで無料で見ることができるからだ。
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