ハワード・マークスは、株価の変動を心配するよりも、『恒久的な損失の可能性こそ、私が心配するリスクであり、私が知っている実践的な投資家は皆、心配している』と言った。 負債過多は破滅につながる可能性があるからだ。 栗田工業(TSE:6370)の借入金に注目したい。(栗田工業(東証:6370)のバランスシートには負債がある。 しかし、株主はその負債の使い方を心配すべきなのだろうか?
なぜ負債がリスクをもたらすのか?
借入金は、新たな資本またはフリー・キャッシュ・フローで返済することが困難になるまで、事業を支援する。 最終的に、企業が負債返済の法的義務を果たすことができなければ、株主は何も手にすることができない。 しかし、より一般的な(しかし、まだ高価な)状況は、会社が単に負債を制御するために安い株価で株主を希釈化しなければならない場合である。 もちろん、負債の利点は、それがしばしば安価な資本を意味することであり、特に企業における希薄化の代わりに、高い収益率で再投資する能力を持つ場合である。 企業の負債水準を検討する際の最初のステップは、現金と負債を合わせて検討することである。
栗田工業の負債額は?
下の画像をクリックすると詳細が表示されるが、2023年12月時点の有利子負債は829億円で、1年前の767億円から増加している。 ただし、現金は540億円あるため、純有利子負債は289億円となる。
栗田工業のバランスシートの強さは?
直近の貸借対照表を拡大すると、12カ月以内に返済期限が到来する負債が1,069億円、それ以降に返済期限が到来する負債が1,055億円ある。 一方、現金は540億円、12カ月以内に回収期限の到来する債権は1,314億円ある。 つまり、現金と(短期)債権の合計より負債の方が269億円多い。
もちろん、栗田工業の時価総額は6,624億円であるため、これらの負債は管理可能であろう。 とはいえ、栗田工業のバランスシートが悪い方向に変化しないよう、注視し続ける必要があることは確かだ。
私たちは、利益に対する負債水準を知るために、主に2つの比率を使っている。ひとつは、純有利子負債を利払い・税引き・減価償却・償却前利益(EBITDA)で割ったもので、もうひとつは、利払い・税引き前利益(EBIT)が支払利息を何倍カバーしているか(略してインタレストカバー)である。 このように、債務の絶対額と支払金利の両方を考慮する。
栗田工業のEBITDA純有利子負債比率は0.36と低い。 また、そのEBITはなんと37.0倍もの支払利息をカバーしている。 つまり、象がネズミに脅かされるのと同じように、栗田工業は負債によって脅かされることはないのだ。 また、栗田工業が昨年EBITを14%伸ばしたことで、負債の負担が軽減されたことも評価できる。 負債を分析する際、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし、栗田工業が長期的にバランスシートを強化できるかどうかは、最終的には事業の将来的な収益性によって決まる。 プロフェッショナルの意見を知りたい方は、アナリストの利益予測に関する無料レポートが面白いかもしれない。
最後に、税務署は会計上の利益を喜ぶかもしれないが、金融機関は現金しか認めない。 そのため、EBITが対応するフリーキャッシュフローにつながっているかどうかを見る必要がある。 過去3年間、栗田工業のフリー・キャッシュ・フローは大幅なマイナスとなった。 投資家は間違いなく、この状況がやがて逆転することを期待しているが、それは明らかに、負債の使用がよりリスキーであることを意味する。
当社の見解
栗田工業のEBITからフリー・キャッシュフローへの換算は、今回の分析では実質的なマイナスとなった。 特に、金利カバー率には目を見張るものがある。 このような様々なデータを考慮すると、栗田工業の負債水準は管理しやすい状態にあると思われる。 とはいえ、その負担は十分に重いため、株主の皆様には注視していただくことをお勧めしたい。 負債についてバランスシートから最も多くを学べることは間違いない。 しかし、投資リスクのすべてがバランスシートにあるわけではない。 そのため、 栗田工業について我々が発見した 1つの警告サインに 注意する必要がある。
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