株式分析

奥村組(東証:6229)は危険な投資か?

TSE:6229
Source: Shutterstock

投資家としてリスクを考えるには、負債よりもむしろボラティリティが一番だと言う人もいるが、ウォーレン・バフェットは『ボラティリティはリスクと同義語とは程遠い』と言ったのは有名な話だ。 負債が多すぎると企業は沈没してしまうからだ。 奥村組(東証:6229)が事業で負債を使っていることはわかる。 しかし、より重要な問題は、その負債がどれほどのリスクを生み出しているかということだ。

負債がもたらすリスクとは?

有利子負債やその他の負債は、フリーキャッシュフローや魅力的な価格での資本調達によって、その債務を容易に履行することができない場合に、ビジネスにとってリスクとなる。 最終的に、企業が法的な債務返済義務を果たせなければ、株主は何も手にすることができない。 しかし、より頻繁に発生する(それでもコストがかかる)のは、バランスシートを補強するためだけに、企業がバーゲン価格で株式を発行し、株主を永久に希薄化させなければならない場合である。 しかし、希薄化の代わりに、高い収益率で成長に投資するための資金を必要とする企業にとって、負債は非常に優れた手段となり得る。 負債水準を検討する際には、まず現金と負債水準の両方を合わせて検討する。

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奥村組の負債額は?

下の画像をクリックすると詳細が表示されるが、2024年3月末の有利子負債は9億6,200万円で、1年前の13億8,000万円から減少している。 ただし、13.9億円のキャッシュがあり、これを相殺すると4.28億円のネットキャッシュとなる。

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東証:6229 負債資本倍率推移 2024年8月12日

奥村組のバランスシートの強さは?

最新の貸借対照表を見ると、1年以内に21.5億円、それ以降に8.37億円の債務が発生する。 一方、現金は13億9,000万円、1年以内に期限の到来する債権は38億4,000万円である。 つまり、流動資産は負債総額より22億5000万円多い

この過剰流動性は、奥村組のバランスシートがフォートノックス並みに強固であることを示している。 そう考えると、同社のバランスシートは逆境に強いことを意味するとも考えられる。 簡単に言えば、奥村エンジニアリングが負債よりも現金の方が多いという事実は、間違いなく負債を安全に管理できることを示している。

しかし悪いニュースは、奥村エンジニアリングのEBITが過去12ヶ月で19%も急落していることだ。 このような業績が頻繁に繰り返されるようであれば、株価は困難に陥るだろう。 負債についてバランスシートから最も多くを学ぶことは間違いない。 しかし、バランスシートが将来どのように維持されるかを左右するのは、奥村エンジニアリングの収益である。 奥村組の業績についてもっと知りたい方は、長期的な業績推移のグラフをご覧いただきたい。

最後に、企業が負債を返済できるのは、会計上の利益ではなく、冷徹な現金のみである。 奥村エンジニアリングの貸借対照表にはネット・キャッシュがあるが、利払い・税引き前利益(EBIT)をフリー・キャッシュ・フローに変換する能力を見る価値はある。 過去3年間、奥村エンジニアリングのフリー・キャッシュ・フローは合計でマイナスとなった。 通常、フリー・キャッシュ・フローがマイナスの企業にとって、借入金はより高価であり、ほとんどの場合、よりリスクが高い。株主は改善を望むべきである。

まとめ

企業の負債を調査することは常に賢明であるが、今回のケースでは、奥村エンジニアリングには4億2,800万円のネットキャッシュがあり、バランスシートも良好である。 したがって、奥村エンジニアリングの借入金に問題はない。 負債についてバランスシートから最も多くを学ぶことは間違いない。 しかし最終的には、どの企業もバランスシートの外に存在するリスクを含みうる。 例えば、 奥村組の注意すべき兆候を4つ挙げて みた (1つは気になる)

もちろん、もしあなたが負債を背負わずに株を買いたいタイプの投資家なら、迷わず当社の純現金成長株リストをご覧いただきたい。

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This article has been translated from its original English version, which you can find here.