投資家としてリスクを考えるには、負債よりもむしろボラティリティが一番だと言う人もいるが、ウォーレン・バフェットは『ボラティリティはリスクと同義語とは程遠い』と言ったのは有名な話だ。 負債が多すぎると企業は沈没する可能性があるからだ。 重要なのは、中村超硬株式会社(東証:6166)である。(TSE:6166)は負債を抱えている。 しかし、株主はその負債の使い方を心配すべきなのだろうか?
なぜ負債がリスクをもたらすのか?
借金は企業の成長を助けるツールだが、もし企業が貸し手に返済する能力がなければ、その企業は貸し手の言いなりになってしまう。 最終的に、企業が法的な返済義務を果たせなければ、株主は何も手にすることができない。 このようなケースはあまり多くはないが、負債を抱えた企業が、貸し手から苦しい価格での増資を余儀なくされ、株主が恒久的に希薄化するケースはよく見られる。 もちろん、負債の利点は、それがしばしば安価な資本を意味することであり、特に企業の希薄化を高い収益率で再投資する能力に置き換えた場合である。 企業がどの程度の負債を使用しているかを検討する際に最初に行うべきことは、現金と負債を合わせて見ることである。
中村超硬の負債額は?
下のグラフをクリックすると過去の数字が表示されるが、2024年3月時点で中村超硬の有利子負債は30.6億円で、1年前の24.4億円から増加している。 ただし、15.0億円の現金があり、これを相殺すると15.7億円の純有利子負債となる。
中村超硬のバランスシートの強さは?
直近の貸借対照表を拡大すると、12カ月以内に33.4億円、それ以降に18.1億円の負債がある。 一方、現金は15.0億円、12カ月以内に回収期限の到来する債権は3.75億円である。 つまり、現金と(短期)売掛金の合計より負債の方が32.8億円多い。
時価総額37.9億円に対してレバレッジの山だ。 このことは、同社がバランスシートの補強を急ぐ必要がある場合、株主が大きく希薄化することを示唆している。 負債水準を分析する場合、バランスシートから始めるのは当然である。 しかし、負債を完全に切り離して見ることはできない。中村超硬は負債を返済するために利益を必要とするからだ。 そのため、中村超硬の収益についてもっと知りたければ、長期的な収益推移のグラフをチェックする価値があるだろう。
昨年度の中村超硬の税引前損益は赤字で、売上高は27%減の24億円だった。 率直に言って、これは良い兆候ではない。
危険信号
中村超硬の減収は濡れた毛布のように心温まるものだが、金利税引前利益(EBIT)の赤字はさらに魅力に欠ける。 実際、EBITベースで5億3,200万円の損失となっている。 上記のような負債を考慮すると、同社がこれほど多くの負債を抱える必要性はあまり感じられない。 つまり、同社のバランスシートは、修復不可能とまではいかないものの、少しひずんでいると思われる。 もうひとつの懸念材料は、過去1年間のフリーキャッシュフローが11億円のマイナスとなったことだ。 要するに、実にリスキーな銘柄なのだ。 負債水準を分析する場合、バランスシートから始めるのは当然である。 しかし最終的には、どの企業もバランスシートの外に存在するリスクを含みうる。 中村超硬は 、 当社の投資分析において3つの警告サインを示して おり、そのうちの1つは重大なものであることに留意されたい...
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