投資家としてリスクを考えるには、負債よりもむしろボラティリティが一番だと言う人もいるが、ウォーレン・バフェットは『ボラティリティはリスクと同義とは程遠い』と言ったのは有名な話だ。 事業が破綻するときには負債が絡むことが多いのだから、企業のリスクの高さを調べるときにバランスシートを考慮するのは当然のことだ。 不二サッシ株式会社(東証:5940)を見てみよう。(株式会社不二サッシ(TSE:5940)は、事業において負債を使用している。 しかし、本当の問題は、この負債が会社をリスキーにしているかどうかである。
なぜ負債がリスクをもたらすのか?
一般的に言って、負債が現実的な問題となるのは、企業が資金調達や自己資金で容易に返済できなくなった場合のみである。 最終的に、企業が法的な債務返済義務を果たせなければ、株主は何も手にすることができない。 しかし、より頻繁に発生する(それでもコストがかかる)のは、バランスシートを補強するためだけに、企業がバーゲン価格で株式を発行し、株主を永久に希薄化させなければならない場合である。 もちろん、成長資金を調達するために負債を利用する企業も数多くあり、そのような場合にも悪影響は生じない。 企業の負債水準を考える際の最初のステップは、現金と負債を一緒に考えることである。
不二サッシの負債とは?
2023年12月末の有利子負債は257億円で、1年前の246億円から増加している。詳細は画像をクリック。 ただし、現金が162億円あるため、ネット有利子負債は約94.5億円となる。
不二サッシの負債の状況
直近の貸借対照表を見ると、1年以内に期限の到来する債務が428億円、それ以後に期限の到来する債務が274億円ある。 一方、現金は162億円、1年以内に回収予定の債権は243億円ある。 負債は現金と短期債権を合わせて296億円多い。
この不足分は125億円の会社そのものに重くのしかかる。まるで、子供が本とスポーツ用品とトランペットを詰め込んだ巨大なリュックサックの重さに苦しんでいるかのようだ。 そのため、バランスシートを注視することは間違いない。 結局のところ、不二サッシが今日債権者に支払わねばならないのであれば、大規模な資本増強が必要になるだろう。
我々は、利益に対する負債水準について知るために、主に2つの比率を使用する。ひとつは、純有利子負債をEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)で割ったもので、もうひとつはEBIT(利払い前・税引き前利益)が支払利息を何倍カバーしているか(略してインタレストカバー)である。 従って、減価償却費の有無にかかわらず、利益に対する有利子負債を考慮する。
不二サッシの純有利子負債はEBITDAの2.5倍であり、レバレッジは大きいが妥当な水準である。 しかし、EBITは支払利息の約18.1倍であり、同社がそのレベルの負債を維持するために高いコストを支払っていないことを示唆している。仮にこの低コストを維持できないとしても、これは良い兆候である。 特筆すべきは、不二サッシが昨年はEBITレベルで損失を出したが、直近1年間のEBITは21億円の黒字に改善したことだ。 負債について貸借対照表から学ぶことが多いのは間違いない。 しかし、有利子負債を単独で見ることはできない。 そのため、負債を検討する際には、収益動向を見る価値がある。インタラクティブなスナップショットはこちら。
最後に、税務署は会計上の利益を喜ぶかもしれないが、金融機関は現金しか認めない。 そのため、金利・税引前利益(EBIT)が実際のフリー・キャッシュフローにどれだけ変換されるかをチェックすることが重要である。 昨年、不二サッシは大量の現金を消費した。 これは成長のための支出の結果かもしれないが、負債のリスクをはるかに高めている。
当社の見解
率直に言って、不二サッシのEBITからフリー・キャッシュ・フローへの変換と、負債総額を超過している実績の両方が、その負債水準にむしろ不安を抱かせる。 しかし、明るい面もある。 総合的に見ると、不二サッシのバランスシートは事業にとってかなりのリスクであると思われる。 つまり、腹を空かせた子猫が飼い主の釣り堀に落ちるのと同じように、この銘柄を警戒しているのだ。 債務残高を分析する場合、バランスシートは当然の手始めである。 しかし、すべての投資リスクがバランスシートの中にあるわけではない。 例えば、不二サッシには 3つの警告サイン ( そして無視できない2つの 警告サイン)がある。
それでもなお、堅固なバランスシートを持つ急成長企業に興味があるのなら、当社のネットキャッシュ成長株リストをご覧いただきたい。
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