ウォーレン・バフェットは、『ボラティリティはリスクと同義ではない。 事業が破綻する際には負債が絡むことが多いため、企業のリスク度を調べる際にバランスシートを考慮するのは当然のことだ。 ヤマト・コーポレーション(東証:1967)が事業において負債を使用していることはわかる。 しかし本当の問題は、この負債が同社をリスキーにしているかどうかである。
なぜ負債がリスクをもたらすのか?
一般的に言って、負債が現実的な問題となるのは、企業が資本を調達するか、自らのキャッシュフローで返済することが容易でなくなった場合のみである。 事態が本当に悪化した場合、貸し手は事業をコントロールすることができる。 しかし、より頻繁に発生する(それでもコストはかかる)のは、バランスシートを補強するためだけに、企業がバーゲン価格で株式を発行し、株主を永久に希薄化させなければならない場合である。 もちろん、負債の利点は、それがしばしば安価な資本を意味することであり、特に企業の希薄化を高い収益率で再投資する能力に置き換えた場合である。 企業がどの程度の負債を使用するかを検討する際に最初に行うべきことは、現金と負債を合わせて見ることである。
ヤマトの負債額は?
下のグラフをクリックすると過去の数字が表示されるが、2024年3月時点のヤマトの有利子負債は11.8億円で、1年前の15.2億円から減少している。 ただし、89.7億円の現金があり、これを相殺すると77.9億円のネットキャッシュとなる。
ヤマトのバランスシートの強さは?
直近の貸借対照表を見ると、1年以内に返済期限が到来する負債が134億円、それ以降に返済期限が到来する負債が22億円ある。 その一方で、現金89.7億円、12ヶ月以内に支払う債権183億円がある。 つまり、流動資産は負債を118億円上回っている。
この過剰流動性は、ヤマトのバランスシートがフォートノックスに匹敵するほど強固であることを示している。 ヤマトのバランスシートは牛のように強固である。 簡潔に言えば、ヤマトはネットキャッシュを誇っており、重い負債を抱えていないと言っていい!
しかし悪いニュースは、ヤマトのEBITが過去12ヶ月で15%も急落していることだ。 このような業績が頻繁に繰り返されれば、株価は困難に陥る可能性がある。 負債水準を分析する場合、バランスシートから始めるのは当然である。 しかし、バランスシートが将来どのように維持されるかを左右するのはヤマトの収益である。 ヤマトの収益についてもっと知りたければ、長期的な収益推移のグラフをチェックする価値があるだろう。
最後に、税務署は会計上の利益を喜ぶかもしれないが、金融機関は現金しか認めない。 ヤマトの貸借対照表にはネットキャッシュがあるが、金利・税引前利益(EBIT)をフリーキャッシュフローに変換する能力を見る価値はある。 直近の3年間を見ると、ヤマトのフリー・キャッシュ・フローはEBITの22%であり、これは予想よりも低い。 負債を返済することを考えると、これは素晴らしいことではない。
まとめ
負債を懸念する投資家の意見には共感するが、ヤマトには77.9億円のネットキャッシュがあり、負債よりも流動資産の方が多いことを念頭に置くべきである。 したがって、ヤマトが負債を使用することに問題はない。 負債水準を分析する場合、貸借対照表から始めるのは当然である。 しかし、すべての投資リスクがバランスシートの中にあるわけではない。 例を挙げよう: ヤマトの注意すべき兆候を1つ 発見した。
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