投資家としてリスクを考えるには、負債よりもむしろボラティリティが一番だと言う人もいるが、ウォーレン・バフェットは『ボラティリティはリスクと同義とは程遠い』と言ったのは有名な話だ。 つまり、賢い投資家たちは、企業のリスクを評価する際に、負債(通常倒産に関わる)が非常に重要な要素であることを知っているようだ。 重要なのは、トアロード株式会社(東証:1882)が負債を抱えていることだ。 しかし本当の問題は、この負債が会社を危険なものにしているかどうかだ。
負債はいつ問題になるのか?
借入金は、事業が新たな資本またはフリー・キャッシュ・フローで返済するのが困難になるまで、事業を支援する。 事態が本当に悪化した場合、貸し手は事業をコントロールすることができる。 しかし、より頻繁に発生する(それでもコストはかかる)のは、バランスシートを補強するためだけに、企業がバーゲン価格で株式を発行し、株主を永久に希薄化させなければならない場合である。 もちろん、負債の利点は、それがしばしば安価な資本を意味することであり、特に企業の希薄化を高い収益率で再投資する能力に置き換えた場合である。 企業の負債水準を検討する際の最初のステップは、現金と負債を合わせて検討することである。
トアロードの負債額は?
下の画像をクリックすると詳細が表示されるが、2024年6月時点の有利子負債は13億4,000万円で、1年前の5億2,400万円から増加している。 ただし、143億円の現金があり、これを相殺すると130億円のネット・キャッシュとなる。
トアロードのバランスシートの強さは?
直近の貸借対照表によると、12ヶ月以内に返済期限が到来する負債は278億円、12ヶ月超の負債は39億1000万円となっている。 一方、現金は143億円、1年以内に期限の到来する債権は283億円。 流動資産は109億円多い。
この過剰流動性は、トアロードが負債に対して慎重なアプローチを取っていることを示唆している。 純資産が豊富なため、融資先との間で問題が生じる可能性は低い。 簡単に言えば、トアロードが負債よりも現金の方が多いという事実は、負債を安全に管理できるという良い兆候であることは間違いない。
幸いなことに、トアロードは昨年、EBITを4.1%伸ばしたため、債務負担はさらに管理しやすくなった。 負債残高を分析する場合、バランスシートを見るのは当然である。 しかし、トアロードは負債を返済するために利益を必要とするため、負債を完全に切り離して見ることはできない。 トアロードの収益についてもっと知りたければ、長期収益推移のグラフをチェックする価値があるだろう。
最後に、企業が負債を返済できるのは、会計上の利益ではなく、冷厳な現金だけである。 トアロードの貸借対照表にはネットキャッシュが計上されているかもしれないが、金利・税引前利益(EBIT)をフリーキャッシュフローにどれだけ変換しているかを見るのは興味深い。 過去3年間、トアロードはフリーキャッシュフローをEBITの82%という非常に高い水準で創出した。 このことは、トアロードが負債を返済できる非常に強い立場にあることを意味する。
まとめ
負債を懸念する投資家の意見には共感するが、トアロードには130億円のネットキャッシュがあり、負債よりも流動資産の方が多いことを念頭に置くべきである。 さらに、EBITの82%をフリー・キャッシュフローに転換し、68億円の利益をもたらしている。 従って、トアロードの負債利用がリスキーだとは思わない。 トアロードが強固なバランスシートを持ち、利益を上げ、配当金を支払っていることを考えると、配当金がどれくらいのペースで伸びているのか、もし伸びているのであれば、それを知るのは良いことだ。 このリンクをクリックすればすぐに分かる。
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