ハワード・マークスは、株価の変動を心配するよりもむしろ、『恒久的な損失の可能性こそが私が心配するリスクであり、私が知っている実践的な投資家は皆心配している』と言った。 つまり、賢い投資家たちは、倒産につきものの負債が、企業のリスクを評価する上で非常に重要な要素であることを知っているようだ。 重要なのは、中部電力(東証:9502)が負債を抱えていることだ。 しかし、株主は負債の使用を心配すべきなのだろうか?
負債がもたらすリスクとは?
借金は企業が成長するための手段だが、もし企業が貸し手に返済できなければ、その企業は貸し手の言いなりになってしまう。 資本主義の一部は、失敗した企業が銀行家によって容赦なく清算される「創造的破壊」のプロセスである。 しかし、より一般的な(しかし依然としてコストのかかる)状況とは、単に負債をコントロールするために、企業が安い株価で株主を希薄化しなければならないような状況である。 しかし、希薄化の代わりに、高い収益率で成長に投資するための資金を必要とする企業にとって、負債は非常に優れた手段となり得る。 企業の負債レベルを検討する際の最初のステップは、現金と負債を一緒に検討することである。
中部電力の負債額は?
下記の通り、中部電力は2024年12月時点で3.08億円の負債を抱えている。グラフをクリックすると詳細を見ることができる。 ただし、現金は2,810億円あるので、純有利子負債は2.80億円となる。
中部電力のバランスシートの健全性は?
最新の貸借対照表を見ると、1年以内に返済期限が到来する負債が11.7億円、それ以降に返済期限が到来する負債が30.2億円ある。 これらの債務と相殺される2,810億円の現金と12ヶ月以内に支払う3,101億円の債権がある。 つまり、現預金と短期債権を合わせると3,610百万円の負債がある。
この赤字は1.20兆円の企業に影を落としており、まるで巨像が凡人の上にそびえ立っているようだ。 そのため、バランスシートを注視することは間違いない。 結局のところ、中部電力は債権者から返済を要求された場合、大規模な資本増強が必要になるだろう。
私たちは、利益に対する負債水準を知るために、主に2つの比率を使っている。ひとつは、純有利子負債をEBITDA(利払い・税引き・減価償却・償却前利益)で割ったもので、もうひとつはEBIT(利払い・税引き・償却前利益)が支払利息を何倍カバーしているか(略してインタレストカバー)である。 従って、減価償却費の有無にかかわらず、利益に対する負債を考慮する。
不思議なことに、中部電力のEBITDAレシオは6.6と非常に高く、負債が多いことを意味するが、インタレスト・カバレッジは10.9と高い。 これは、同社が非常に安価な負債を利用できない限り、その支払利息は将来的に増加する可能性が高いことを意味する。 重要なのは、中部電力のEBITが過去12ヶ月で32%も減少したことだ。 この収益傾向が続けば、負債を返済するのはジェットコースターに猫を乗せるのと同じくらい簡単なことだ。 負債を分析する際、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし、中部電力が今後も健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 そこで、将来に焦点を当てるのであれば、アナリストの利益予測を示したこの無料レポートをチェックすることができる。
最後に、税務署は会計上の利益を喜ぶかもしれないが、金融機関は現金しか認めない。 そのため、EBITがフリー・キャッシュフローにどれだけ裏付けられているかをチェックする価値がある。 過去2年間、中部電力のフリー・キャッシュ・フローはEBITの11%であり、あまり良い業績とは言えない。 この低水準のキャッシュ・コンバージョンは、負債を管理・返済する能力を損なう。
当社の見解
一見したところ、中部電力のEBIT成長率には疑問が残る。 しかし、少なくともEBITで支払利息をカバーできていることは頼もしい。 また、中部電力のような電気事業会社は、一般的に問題なく負債を利用していることも知っておく必要がある。 前述の要素を考慮すると、中部電力は負債が多すぎるように見える。 そのようなリスクは、ある人にとっては問題ないが、私たちにとっては浮かない。 負債水準を分析する場合、バランスシートが出発点になるのは明らかだ。 しかし最終的には、どの企業もバランスシートの外に存在するリスクを含みうる。 こうしたリスクを見つけるのは難しい。どの会社にもあるものだが、 中部電力には4つの警告サインが ある。
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This article has been translated from its original English version, which you can find here.