投資家としてリスクを考えるには、負債よりもボラティリティを考えるのが一番だと言う人もいるが、ウォーレン・バフェットは『ボラティリティはリスクと同義とは程遠い』と言ったのは有名な話だ。 負債が多すぎると企業が沈没する可能性があるからだ。 株式会社理経(TSE:8226)が事業で負債を使用していることはわかる。 しかし本当の問題は、この負債が会社をリスキーにしているかどうかだ。
なぜ負債がリスクをもたらすのか?
一般的に言って、負債が現実的な問題となるのは、企業が資本を調達するか、自らのキャッシュフローで返済することが容易でなくなった場合のみである。 資本主義の一部とは、失敗した企業が銀行家によって容赦なく清算される「創造的破壊」のプロセスである。 しかし、より頻繁に起こる(しかし依然としてコストのかかる)事態は、企業がバランスシートを補強するためだけに、バーゲン価格で株式を発行し、株主を永久に希薄化させなければならない場合である。 しかし、希薄化の代わりに負債を活用することで、高い収益率で成長に投資するための資金を必要とする企業にとって、負債は非常に優れた手段となり得る。 企業がどの程度の負債を使用するかを検討する際に最初に行うべきことは、現金と負債を合わせて見ることである。
リケイの負債額は?
下の画像をクリックすると詳細が見られるが、2024年3月時点の有利子負債は25億8,000万円で、1年前の6億9,900万円から増加している。 しかし、貸借対照表では30億6,000万円の現金を保有しており、実質的なネット・キャッシュは4億8,400万円となる。
理経のバランスシートの健全性は?
貸借対照表を拡大してみると、12ヶ月以内に返済期限が到来する負債が51億7,000万 円、それ以降に返済期限が到来する負債が3億2,600万円となっている。 一方、現金は30億6,000万円、12カ月以内に返済期限が到来する債権は32億3,000万円である。 つまり、流動資産は負債総額より7億9,100万円多い。
この過剰流動性は、理経が負債に対して慎重なアプローチを取っていることを示唆している。 強固な純資産ポジションにより、借入先との間で問題が生じる可能性は低い。 簡単に言えば、理経が負債よりも現金を多く持っているという事実は、理経が負債を安全に管理できることを示すものである。
さらに印象的なのは、理経が12ヶ月間でEBITを158%成長させたという事実である。 この成長が維持されれば、数年後の負債はさらに管理しやすくなるだろう。 負債水準を分析する場合、バランスシートが出発点となるのは明らかだ。 しかし、負債を完全に切り離して考えることはできない。 そのため、負債を検討する際には、収益動向を見る価値があることは間違いない。インタラクティブなスナップショットはこちら。
最後に、企業は負債を返済するためにフリーキャッシュフローを必要とする。 理経の貸借対照表にはネットキャッシュが計上されているかもしれないが、利払い・税引き前利益(EBIT)をフリーキャッシュフローにどの程度変換しているかを見るのは興味深い。 過去3年間、理経は大量の現金を消費した。 投資家は間違いなく、やがてこの状況が逆転することを期待しているが、それは明らかに、負債の使用がよりリスキーであることを意味する。
まとめ
企業の有利子負債を調査することは常に賢明であるが、今回のケースでは、理経は4億8,400万円のネット・キャッシュを持ち、バランスシートも良好である。 また、昨年度のEBIT成長率は158%であった。 従って、理経の負債利用が危険だとは思わない。 負債についてバランスシートから最も多くを学ぶことは間違いない。 しかし結局のところ、どの企業もバランスシートの外に存在するリスクを含んでいる可能性がある。 こうしたリスクを見つけるのは難しい。どの企業にもあるものだが、私たちは 理経の4つの警告サイン (うち2つは無視できない!)を見つけた。
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