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日本電波工業(東証:6779)のバランスシートは健全か?

Published
TSE:6779

投資家としてリスクを考えるには、負債よりもボラティリティが一番だと言う人もいるが、ウォーレン・バフェットは『ボラティリティはリスクと同義語とは程遠い』と言ったのは有名な話だ。 事業が破綻するときには負債が絡むことが多いのだから、企業のリスク度合いを調べるときにバランスシートを考慮するのは当然のことだ。 日本電波工業株式会社(東証:6779)を見てみよう。(日本電波工業株式会社(東証:6779)は、事業において負債を使用している。 しかし、この負債は株主にとって懸念材料なのだろうか?

なぜ負債がリスクをもたらすのか?

一般的に言って、負債が現実の問題となるのは、企業が資本調達や自らのキャッシュフローで容易に返済できなくなった場合のみである。 最悪のシナリオでは、債権者への支払いができなくなった場合、企業は倒産する可能性がある。 しかし、より一般的な(しかし、まだ高価な)状況は、企業が単に負債を制御するために安い株価で株主を希釈化しなければならない場合です。 もちろん、企業、特に資本の重い企業にとって、負債は重要な手段となり得る。 私たちは、企業の負債の使用について考えるとき、まず現金と負債を一緒に見ます。

日本電波工業の最新の分析をご覧ください。

日本電波工業の負債額は?

下のグラフをクリックすると過去の数字が表示されるが、2024年3月時点の日本電波工業の有利子負債は235億円で、1年前の250億円から減少している。 一方、現金は123億円あり、純有利子負債は112億円程度である。

東証:6779 2024年6月19日現在の有利子負債残高の推移

日本電波工業のバランスシートは健全か?

直近の貸借対照表によると、日本電波工業の負債は12ヶ月以内に 137億円、12ヶ月超に251億円となっている。 その一方で、12ヶ月以内に現金が123億円、売掛金が130億円ある。 つまり、現金と(短期)債権の合計より負債の方が135億円多い。

日本電波工業の企業価値は284億円であり、必要であればバランスシートを補強するのに十分な資本を調達できるだろうから、この赤字はそれほど悪いものではない。 しかし、債務返済能力を注意深く見る価値はある。

私たちは、純有利子負債をEBITDA(利払い・税引き・減価償却・償却前利益)で割った値と、EBIT(利払い・税引き・償却前利益)が支払利息をどれだけ容易にカバーできるかを計算することによって、企業の収益力に対する負債負担を測定する。 この方法では、債務の絶対額と支払金利の両方を考慮する。

純有利子負債がEBITDAの1.4倍に過ぎない日本電波工業は、間違いなくかなり保守的な資本構成である。 また、インタレスト・カバレッジは8.9倍で、十分な水準にある。 実際、日本電波工業の救いは負債水準が低いことである。 企業の収益が悪化すると、融資先との関係が悪化することがある。 負債水準を分析する場合、バランスシートから始めるのは当然である。 しかし、日本電波工業が長期的にバランスシートを強化できるかどうかは、最終的には事業の将来的な収益性によって決まる。 プロフェッショナルの意見を知りたい方は、アナリストの利益予測に関する無料レポートが面白いかもしれない。

最後に、企業は負債を返済するためにフリーキャッシュフローを必要とする。 そのため、EBITが対応するフリーキャッシュフローにつながっているかどうかを見る必要がある。 直近の3年間で、日本電波工業はEBITの56%に相当するフリー・キャッシュ・フローを記録している。 このフリー・キャッシュ・フローにより、同社は適切なタイミングで負債を返済することができる。

当社の見解

日本電波工業のEBITの伸び悩みは、バランスシートの強さに二の足を踏ませるものであったが、我々が考慮した他のデータ・ポイントは比較的救いであった。 しかし明るい面もあり、EBITで支払利息をカバーする能力は決して低くない。 上記の要因を総合すると、日本電波工業の有利子負債は事業にとってリスクがあると考えられる。 そのため、レバレッジは株主資本利益率を押し上げるが、ここからさらにレバレッジが高まることはあまり望まない。 負債水準を分析する場合、バランスシートが出発点となるのは明らかだ。 しかし最終的には、どの企業もバランスシートの外に存在するリスクを含みうる。 例えば、日本電波工業には 4つの警告 サインがある。

すべてが終わってみれば、負債を必要としない企業に注目する方が簡単な場合もある。純有利子負債ゼロの成長株リストに、読者は今すぐ100%無料でアクセスできる。