投資家としてリスクを考えるには、負債よりもボラティリティが一番だと言う人もいるが、ウォーレン・バフェットは『ボラティリティはリスクと同義語とは程遠い』と言ったのは有名な話だ。 負債過多は破滅につながる可能性があるからだ。 東芝テック(TSE:6588)のバランスシートには負債がある。 しかし、株主は負債の使い方を心配すべきなのだろうか?
負債はいつ問題になるのか?
有利子負債やその他の負債が企業にとってリスクとなるのは、フリーキャッシュフローや魅力的な価格での資本調達によって、その債務を容易に履行できない場合である。 最悪のシナリオでは、債権者への支払いができなくなった場合、企業は倒産する可能性がある。 しかし、より頻繁に発生する(それでもコストはかかる)のは、バランスシートを補強するためだけに、企業がバーゲン価格で株式を発行し、株主を永久に希薄化させなければならない場合である。 もちろん、負債の利点は、それがしばしば安価な資本を意味することであり、特に企業の希薄化を高い収益率で再投資する能力に置き換えた場合である。 負債水準を検討する際には、まず現金と負債水準の両方を合わせて検討する。
東芝テックの負債額は?
2024年3月現在、東芝テックの有利子負債は181億円で、1年間で43.6億円増加している。 しかし、貸借対照表では486億円の現金を保有しており、実質的なネットキャッシュは305億円ある。
東芝テックのバランスシートの強さは?
直近の貸借対照表を見ると、1年以内に返済期限が到来する負債が1,758億円、それ以降に返済期限が到来する負債が655億円ある。 一方、現金は486億円、1年以内に回収予定の債権は851億円。 一方、現金は486億円、1年以内の債権は851億円で、現金と1年以内の債権を合計すると1,076億円の負債がある。
時価総額1,654億円に対して、レバレッジの山である。 このため、同社がバランスシートの補強を急ぐ必要がある場合、株主は大きく希薄化することになる。 負債が多いとはいえ、東芝テックにはネットキャッシュがある!
東芝テックのEBITは昨年かなり横ばいだったが、負債が多くないことを考えれば問題ないだろう。 貸借対照表から負債について最もよく知ることができるのは間違いない。 しかし、東芝テックが今後健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 そこで、将来に焦点を当てるのであれば、アナリストの利益予測を示したこちらの無料レポートをご覧いただきたい。
なぜなら、企業は紙の利益では負債を支払えないからだ。 東芝テックの貸借対照表にはネット・キャッシュがあるが、金利・税引前利益(EBIT)をフリー・キャッシュ・フローに変換する能力を見る価値はある。 過去3年間で、東芝テックのフリー・キャッシュフローはEBITの19%に相当する。 この低水準の現金収支は、東芝の負債管理・返済能力を弱体化させている。
まとめ
東芝テックのバランスシートは、負債総額が多いため特別に強いわけではないが、ネットキャッシュが305億円あることは明らかにプラスである。 東芝テックのバランスシートは、改善すべき点はあるものの、それほど心配はしていない。 東芝テックは昨年度、法定利益を出していないが、EBITがプラスであることから、黒字化はそう遠くないかもしれない。東芝テックの収益が中期的に正しい方向に向かっているかどうかは、こちらをご覧ください。
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