株式分析

INES (東証:9742) 借入金でリスクを負う

TSE:9742
Source: Shutterstock

投資家としてリスクを考えるには、負債よりもボラティリティが一番だと言う人もいるが、ウォーレン・バフェットは『ボラティリティはリスクと同義語とは程遠い』と言ったのは有名な話だ。 負債過多は破滅につながる可能性があるからだ。 他の多くの企業と同様、イネス・コーポレーション(東証:9742)も負債を利用している。 しかし、本当の問題は、この負債が会社をリスキーにしているかどうかである。

なぜ負債がリスクをもたらすのか?

有利子負債やその他の負債が企業にとってリスクとなるのは、フリーキャッシュフローや魅力的な価格での資本調達によって、その負債を容易に履行できない場合である。 資本主義の一部とは、失敗した事業が銀行家によって容赦なく清算される「創造的破壊」のプロセスである。 しかし、より一般的な(しかし依然として高価な)状況は、単に負債をコントロールするために、企業が安い株価で株主を希薄化しなければならない場合である。 もちろん、負債の利点は、それがしばしば安価な資本を意味することであり、特に企業の希薄化を高い収益率で再投資する能力に置き換えた場合である。 企業がどの程度の負債を使用するかを検討する際に最初に行うべきことは、現金と負債を合わせて見ることである。

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INESの負債額

下の画像(クリックすると詳細が表示される)を見ると、2024年6月時点でINESの有利子負債は50億円で、1年後にはゼロになる。 しかし、それを相殺する104億円のキャッシュがあり、53.8億円のネットキャッシュがあることになる。

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東証:9742 2024年8月2日時点のD/Eヒストリー

INESのバランスシートの強さは?

最新の貸借対照表を見ると、1年以内に返済期限が到来する負債が70.5 億円、それ以降に返済期限が到来する負債が86.5億円ある。 一方、現金は104億円、12ヶ月以内に返済期限の到来する債権は57億6,000万円ある。 つまり、流動資産が負債総額を4億4,100万円上回っている。

負債総額と流動資産がほぼ同額であることから、バランスシートは非常に強固である。 297億円規模の同社が資金繰りに苦しんでいるとは考えにくいが、バランスシートを注視する価値はあると思われる。 簡潔に言えば、同社はネットキャッシュを誇っており、負債が多いとは言えない!

実際、INESの救いは負債が少ないことだが、その理由は同社のEBITが過去12ヶ月で50%も急落したからだ。 収益が落ち込むと(この傾向が続けば)、最終的には控えめな負債でさえかなりリスキーになる可能性がある。 負債を分析する際、バランスシートに注目すべきなのは明らかだ。 しかし、バランスシートが将来どのように持ちこたえるかを左右するのは、INESの収益である。 そのため、同社の収益についてもっと知りたければ、長期的な収益推移のグラフをチェックする価値があるかもしれない。

なぜなら、企業は紙の利益では負債を支払えないからだ。 INESの貸借対照表にはネット・キャッシュが計上されているが、そのキャッシュ・バランスの構築(または減耗)の速さを理解するために、金利税引前利益(EBIT)をフリー・キャッシュ・フローに変換する能力を見てみる価値はある。 過去3年間、INESのフリー・キャッシュ・フローは合計で大幅なマイナスとなった。 これは成長のための支出の結果かもしれないが、負債をはるかにリスキーなものにしている。

まとめ

企業の負債を調査することは常に賢明であるが、今回のケースではINESは53.8億円のネットキャッシュを持ち、バランスシートも良好である。 つまり、INESのバランスシートは決して良いとは言えないが、決して悪くはない。 負債を分析する際、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし、投資リスクのすべてが貸借対照表にあるわけではなく、むしろそうとは言い難い。 例えば、INESには 3つの警告的兆候が ある( 1つは懸念事項)

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This article has been translated from its original English version, which you can find here.