デービッド・アイベンは、『ボラティリティは我々が気にするリスクではない。我々が気にかけるのは、資本の永久的な損失を避けることである』。 だから、ある銘柄のリスクの高さを考えるとき、負債を考慮する必要があるのは明らかかもしれない。 株式会社NTTデータ・グループ(TSE:9613)の貸借対照表には負債がある。 しかし、より重要な問題は、その負債がどれほどのリスクを生み出しているかということだ。
負債はいつ問題になるのか?
有利子負債やその他の負債が企業にとってリスクとなるのは、フリーキャッシュフローや魅力的な価格での資本調達によって、その債務を容易に履行できない場合である。 資本主義の一部とは、失敗した事業が銀行家によって容赦なく清算される「創造的破壊」のプロセスである。 しかし、より一般的な(それでも痛みを伴う)シナリオは、低価格で新たな株式資本を調達し、株主を恒久的に希薄化させることである。 もちろん、負債の利点は、それがしばしば安価な資本を意味することであり、特に企業の希薄化を高い収益率で再投資する能力に置き換えた場合である。 企業がどの程度の負債を使用するかを検討する際に最初に行うべきことは、現金と負債を合わせて見ることである。
NTTデータグループの純負債とは?
NTTデータグループの有利子負債は2023年12月時点で2.03億円と、1年前の1.59億円から増加している。 ただし、4,930億円の現金があり、これを相殺すると、ネット有利子負債は約1.54億円となる。
NTTデータグループのバランスシートの強さは?
直近の貸借対照表を見ると、1年以内に返済期限が到来する負債が22.2億円、それ以 降に返済期限が到来する負債が1.87億円ある。 一方、現金は4,930億円、1年内回収予定の債権は1.20億円。 つまり、現預金と1年以内に回収予定の債権を合わせると240億円の負債があることになる。
この赤字は時価総額の3.31兆円に対してかなり大きいため、株主はNTTデータグループの負債使途を注視する必要がある。 同社がバランスシートの補強を急ぐ必要がある場合、株主は大きく希薄化することを示唆している。
企業の収益に対する有利子負債を評価するため、純有利子負債をEBITDA(金利・税金・減価償却費控除前利益)で割った数値と、EBIT(金利・税金控除前利益)を支払利息で割った数値(インタレストカバー)を算出する。 このように、債務の絶対額と支払金利の両方を考慮する。
NTTデータ・グループの有利子負債はEBITDAの2.5倍で、EBITは支払利息を5.0倍カバーしている。 これを総合すると、負債水準が上昇することは望まないが、現在のレバレッジを維持することは可能であると考えられる。 NTTデータグループが有利子負債を解消する一つの方法は、借入を止め、EBITを18%程度で成長させることである。 負債を分析する際、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし、NTTデータグループが長期的にバランスシートを強化できるかどうかは、最終的には事業の将来的な収益性によって決まる。 プロフェッショナルの意見を知りたいなら、アナリストの利益予測に関する無料レポートが面白いかもしれない。
最後に、税務署は会計上の利益を喜ぶかもしれないが、金融機関は現金しか認めない。 そこで論理的なステップは、実際のフリー・キャッシュ・フローと一致するEBITの割合を見ることである。 過去3年間で、NTTデータ・グループが生み出したフリー・キャッシュ・フローはEBITの12%であり、刺激的なパフォーマンスではない。 私たちにとって、これほど低いキャッシュ・コンバージョンは、債務を消滅させる能力について少し妄想を掻き立てる。
当社の見解
NTTデータ・グループのEBITからフリー・キャッシュフローへの転換率と負債総額の水準は、我々の評価では間違いなく重荷である。 しかし、良いニュースは、EBITを容易に成長させることができるようだ。 しかし、良いニュースは、同社がEBITを容易に成長させることができるように見えることである。 そのため、レバレッジが株主資本利益率を押し上げるとはいえ、私たちはここからレバレッジが高まることをあまり望んでいない。 負債についてバランスシートから最も多くを学ぶことは間違いない。 しかし最終的には、どの企業もバランスシートの外に存在するリスクを含みうる。 そのため、 NTTデータ・グループに関して我々が発見した 2つの警告サイン に注意すべきである。
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