PER(株価収益率)16.6倍の富士通株式会社(東証:6702)は、日本の企業の半数近くがPER14倍以下であり、PER9倍以下も珍しくないことを考えると、現時点では弱気シグナルを発しているのかもしれない。 とはいえ、PERを額面通りに受け取るのは賢明ではない。
富士通は最近、他の企業よりも業績を伸ばしており、確かに良い仕事をしている。 PERが高いのは、投資家がこの好業績が続くと考えているからだろう。 そうでなければ、特に理由もなく高い株価を支払っていることになる。
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富士通のような高いPERを見て本当に安心できるのは、会社の成長が市場を凌駕する軌道に乗っている時だけだ。
振り返ってみると、昨年は同社のボトムラインに22%の異例の利益をもたらした。 最近の好業績は、過去3年間でEPSを合計36%成長させたことを意味する。 従って、株主はこうした中期的な利益成長率を歓迎したことだろう。
同社を担当するアナリストによれば、今後3年間のEPSは年率6.5%上昇すると予想されている。 一方、他の市場では毎年9.6%ずつ拡大すると予想されており、その方が魅力的であることは明らかだ。
これを考えると、富士通のPERが他社を上回っているのは憂慮すべきことだ。 どうやら富士通の投資家の多くは、アナリストが示すよりもずっと強気で、いくら株価が上がっても手放そうとしていないようだ。 このレベルの利益成長はいずれ株価に重くのしかかるだろうから、この株価が持続可能だと考えるのは大胆な人だけだろう。
最終結論
株価収益率(PER)の威力はバリュエーションではなく、現在の投資家心理と将来への期待を測ることにある。
富士通のアナリスト予想を検証したところ、業績見通しが劣っていることが、予想ほど高いPERに影響していないことが分かった。 将来の収益見通しがこのようなポジティブなセンチメントを長く支える可能性がないため、現在、我々は高いPERにますます違和感を覚えている。 これは、株主の投資を大きなリスクにさらし、潜在的な投資家は過大なプレミアムを支払う危険にさらされている。
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