ウォーレン・バフェットは、『ボラティリティはリスクと同義ではない。 事業が破綻する際には負債が絡むことが多いため、企業のリスク度を調べる際にバランスシートを考慮するのは当然のことだ。 日本電気株式会社(TSE:6701)のバランスシートには負債がある。 しかし、本当の問題は、この負債が同社を危険にしているかどうかである。
負債はいつ危険なのか?
有利子負債やその他の負債が企業にとって危険となるのは、フリーキャッシュフローや魅力的な価格での資本調達によって、その負債を容易に履行できない場合である。 資本主義の一部とは、失敗した事業が銀行家によって容赦なく清算される「創造的破壊」のプロセスである。 しかし、より一般的な(しかし依然として費用のかかる)状況とは、単に負債を抑制するために、企業が安い株価で株主を希薄化しなければならないような場合である。 しかし、希薄化の代わりに、高い収益率で成長に投資するための資金を必要とする企業にとって、負債は非常に優れた手段となり得る。 企業の負債水準を検討する際の最初のステップは、現金と負債を合わせて検討することである。
NECの純負債とは?
下の画像をクリックすると詳細が見られるが、2024年6月末のNECの有利子負債は3,595億円で、1年前の4,483億円から減少している。 しかし、それを相殺する5,098億円のキャッシュがあり、1,503億円のネットキャッシュがあることになる。
NECのバランスシートの強さは?
最新の貸借対照表を見ると、1年以内に130億円、それ以降に7,088億円の負債がある。 一方、現金は5,098億円、債権は5,034億円である。 つまり、負債が現金と(短期)債権を合計した9,955億円を上回っている。
NECの時価総額は35.3億円と巨額であるため、増資によってバランスシートを強化することは可能だろう。 しかし、負債の返済能力については注視する価値がある。 特筆すべき負債もあるが、NECは負債よりも現金の方が多いので、負債を安全に管理できると確信している。
また、NECは昨年EBITを13%成長させ、債務負担を扱いやすくしていることも温かく見守りたい。 負債を分析する際、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし、NECが長期的にバランスシートを強化できるかどうかは、最終的には事業の将来的な収益性によって決まる。 プロフェッショナルの意見を知りたい方は、アナリストの利益予測に関する無料レポートが面白いかもしれない。
最後に、税務署は会計上の利益を重視するかもしれないが、金融機関は現金しか認めない。 NECの貸借対照表にはネット・キャッシュが計上されているかもしれないが、金利・税引前利益(EBIT)をフリー・キャッシュ・フローにどの程度変換しているかを見るのは興味深い。 過去3年間、NECはEBITの70%に相当する堅固なフリー・キャッシュ・フローを生み出してきた。 この冷徹なキャッシュは、NECが望むときに負債を削減できることを意味する。
まとめ
NECは流動資産よりも負債が多いものの、1,503億円のネット・キャッシュを保有している。 フリーキャッシュフローは1,850億円で、EBITの70%を占めている。 では、NECの負債はリスクなのだろうか?そうとは思えない。 負債水準を分析する場合、バランスシートから始めるのは当然である。 しかし、すべての投資リスクが貸借対照表にあるわけではなく、むしろそうではない。 私たちは、 NECについて 1つの警告サインを特定した 。
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