デービッド・アイベンは、『ボラティリティは我々が気にするリスクではない。我々が気にかけるのは、資本の永久的な損失を避けることである』。 事業が破綻する際には負債が絡むことが多いため、企業のリスク度を調べる際にバランスシートを考慮するのは当然のことだ。 日本電気株式会社(TSE:6701)のバランスシートには負債がある。 しかし、より重要な問題は、その負債がどれほどのリスクを生み出しているかということだ。
負債が問題となるのはどのような場合か?
借金は企業の成長を助けるツールだが、もし企業が貸し手に返済できないのであれば、その企業は貸し手の言いなりになってしまう。 最終的に、企業が法的な債務返済義務を果たせなければ、株主は何も手にすることができなくなる。 このような事態はあまり一般的ではないが、負債を抱える企業が、貸し手から窮迫した価格での資本調達を余儀なくされ、株主が恒久的に希薄化するケースはよく見られる。 もちろん、負債もビジネス、特に資本の重いビジネスにおいては重要な手段となりうる。 私たちは、企業の負債の使用について考えるとき、まず現金と負債を一緒に見ます。
NECの負債とは?
NECの有利子負債は、2024年9月時点で4,388億円と、1年前の4,678億円から減少している。 一方、現金は4,840億円あり、ネットキャッシュは452億円ある。
NECのバランスシートの強さは?
直近の貸借対照表では、12ヶ月以内に返済期限が到来する負債が12.9億円、 12ヶ月超に返済期限が到来する負債が7,096億円となっている。 一方、現金4,840億円、12ヵ月以内に回収期限の到来する債権5,006億円がある。 つまり、現預金と短期債権を合計すると、負債が1.01億円多い。
NECの時価総額は35.9億円と巨額であるため、増資によってバランスシートを強化することは可能だろう。 しかし、負債が過大なリスクをもたらしているとの指摘には注意したい。 負債が多いとはいえ、NECはネットキャッシュを保有しており、負債が多いとは言えない!
また、NECは昨年、EBITを11%成長させ、負債の負担を扱いやすくしている。 負債を分析する際、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし、NECが長期的にバランスシートを強化できるかどうかは、最終的には事業の将来的な収益性によって決まる。 将来に焦点を当てるのであれば、アナリストの利益予測を示したこの無料レポートをご覧いただきたい。
最後に、企業が負債を返済できるのは、会計上の利益ではなく、冷徹な現金だけである。 NECの貸借対照表にはネット・キャッシュが計上されているかもしれないが、金利・税引前利益(EBIT)をどれだけフリー・キャッシュ・フローに変換しているかを見るのは興味深い。 過去3年間、NECはEBITの67%に相当する強力なフリー・キャッシュ・フローを生み出した。 この冷徹なキャッシュは、NECが望むときに負債を削減できることを意味する。
まとめ
NECのバランスシートは、負債総額が多いため特別に強いわけではないが、452億円のネットキャッシュがあることは明らかにプラスである。 また、フリー・キャッシュ・フローは1,980億円で、EBITの67%を占めている。 では、NECの負債はリスクなのだろうか?そうとは思えない。 他の多くの指標よりも、一株当たり利益がどれくらいのペースで伸びているかを追跡することが重要だと考えている。というのも、本日、NECの一株当たり利益の歴史を示すインタラクティブなグラフを無料で見ることができるからだ。
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