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SHIFT(東証:3697)は危険な投資か?

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TSE:3697

投資家としてリスクを考えるには、負債よりもボラティリティが一番だと言う人もいるが、ウォーレン・バフェットは『ボラティリティはリスクと同義語とは程遠い』と言ったのは有名な話だ。 事業が破綻するときには負債が絡んでくることが多いので、企業のリスクの高さを検討するときにバランスシートを考慮するのは当然のことだ。 他の多くの企業と同様、SHIFT社(東証:3697)も負債を利用している。 しかし、より重要な問題は、その負債がどれほどのリスクを生み出しているかということだ。

負債がもたらすリスクとは?

借金は企業の成長を助けるツールだが、もし企業が貸し手に返済する能力がなければ、その企業は貸し手の言いなりになってしまう。 最終的に、会社が法的な債務返済義務を果たせなければ、株主は何も手にすることができない。 しかし、より頻繁に発生する(それでもコストがかかる)のは、バランスシートを補強するためだけに、企業がバーゲン価格で株式を発行し、株主を永久に希薄化させなければならない場合である。 もちろん、負債の利点は、それがしばしば安価な資本を意味することであり、特に企業の希薄化を高い収益率で再投資する能力に置き換えた場合である。 企業の負債水準を検討する際の最初のステップは、現金と負債を合わせて検討することである。

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SHIFTの純負債は?

下記の通り、2024年11月末の有利子負債は128億円で、1年前の106億円から増加している。詳細は画像をクリック。 一方、現金は244億円あり、ネットキャッシュは116億円となっている。

東証:3697 負債資本比率の推移 2025年3月9日

負債の状況

直近の貸借対照表を見ると、1年以内に返済期限が到来する負債が228億円、それ以 降に返済期限が到来する負債が78.5億円ある。 一方、現金は244億円、12カ月以内に回収期限の到来する債権は135億円ある。 つまり、流動資産は負債総額を72.9億円上回っている。

この短期的な流動性は、SHIFTの貸借対照表が伸び悩んでいるわけではなく、借入金を容易に返済できる可能性があることを示している。 端的に言えば、SHIFTはネット・キャッシュを誇っており、重い負債を抱えていないと言ってよい!

幸いなことに、SHIFTは昨年、EBITを5.8%成長させたため、負債負担はさらに管理しやすくなった。 負債を分析する際、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし、SHIFTが長期的にバランスシートを強化できるかどうかは、最終的には事業の将来の収益性によって決まる。 そこで、将来性を重視するのであれば、アナリストの利益予測を示したこの無料レポートをご覧ください。

最後に、企業は負債を返済するためにフリーキャッシュフローを必要としている。 SHIFTは貸借対照表にネットキャッシュを計上しているかもしれないが、利払い前・税引き前利益(EBIT)をフリーキャッシュフローにどれだけ変換しているかを見るのは興味深い。 過去3年間、SHIFTはEBITの54%に相当する強力なフリー・キャッシュ・フローを生み出した。 このフリー・キャッシュ・フローにより、同社は、適切な場合に負債を返済するのに有利な立場にある。

まとめ

有利子負債を懸念する投資家の意見には共感するが、SHIFTには116億円のネットキャッシュがあり、負債よりも流動資産の方が多いことを念頭に置くべきである。 したがって、SHIFTの借入金利用がリスキーだとは思わない。 負債を分析する際、バランスシートに注目すべきなのは明らかである。 しかし最終的には、どの企業もバランスシートの外に存在するリスクを含みうる。 例えば、投資前に注意すべきSHIFTの警告サインを1つ発見した。

結局のところ、純負債のない企業に焦点を当てた方が良いことが多い。そのような企業の特別リスト(すべて利益成長の実績あり)にアクセスできます。無料です。