Stock Analysis
デービッド・アイベンは、『ボラティリティは我々が気にするリスクではない。我々が気にかけるのは、資本の永久的な損失を避けることだ』。 つまり、賢明な投資家たちは、倒産につきものの負債が、企業のリスクを評価する上で非常に重要な要素であることを知っているようだ。 重要なのは、ABCマート(東証:2670)は負債を抱えているということだ。 しかし本当の問題は、この負債が会社を危険なものにしているかどうかだ。
借金はいつ危険なのか?
新たな資本やフリー・キャッシュ・フローで返済が困難になるまで、負債はビジネスを支援する。 最悪のシナリオでは、債権者への支払いができなくなった場合、企業は倒産する可能性がある。 しかし、より頻繁に発生する(それでもコストはかかる)のは、バランスシートを補強するためだけに、企業がバーゲン価格で株式を発行し、株主を永久に希薄化させなければならない場合である。 もちろん、負債もビジネス、特に資本の重いビジネスにおいては重要な手段となり得る。 企業がどの程度の負債を使用するかを検討する際に最初に行うべきことは、現金と負債を合わせて見ることである。
ABC-MartIncの負債額は?
ABC-MartIncは2024年11月に41.1億円の負債を抱えており、1年前の48.6億円から減少している。 しかし、貸借対照表では1,833億円の現金を保有しているので、実際には1,792億円のネット・キャッシュがある。
ABCマートの負債の推移
貸借対照表を拡大すると、12ヶ月以内に返済期限が到来する負債が577億円、それ以 降に返済期限が到来する負債が17.2億円ある。 一方、現金は1,833億円、12カ月以内に返済期限が到来する債権は215億円である。 つまり、負債総額より流動資産の方が1,454億円多い。
貸借対照表上の流動性に余裕があることは、保守的な負債管理を示唆している。 資産が潤沢であるため、借入先とトラブルになる可能性は低い。 簡単に言えば、ABC-MartIncが負債よりも現金の方が多いという事実は、負債を安全に管理できるという良い兆候であることは間違いない。
また、ABC-MartIncが昨年1年間でEBITを13%伸ばしたことも、負債を管理する能力をさらに高めている。 私たちが貸借対照表から負債について最も多くを学ぶことは間違いない。 しかし、ABC-MartIncが今後健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 そこで、将来に焦点を当てるのであれば、アナリストの利益予測を示したこの無料レポートをチェックすることができる。
最後に、ビジネスには負債を返済するためのフリーキャッシュフローが必要だ。 ABC-MartIncの貸借対照表にはネット・キャッシュがあるが、利払い・税引き前利益(EBIT)をフリー・キャッシュ・フローに変換する能力を見る価値はある。 過去3年間、ABC-MartIncはEBITの63%に相当する強力なフリーキャッシュフローを生み出している。 この冷え切ったキャッシュは、負債を減らしたいときに減らせることを意味する。
まとめ
ABC-MartIncのネットキャッシュは1,792億円であり、流動資産は負債を上回っている。 従って、ABC-MartIncの負債利用がリスキーだとは思わない。 負債を分析する際、バランスシートに注目すべきなのは明らかだ。 しかし、すべての投資リスクが貸借対照表に存在するわけではない。 例えば、ABC-MartIncに投資する前に注意すべき警告を1つ発見した。
それでもなお、堅固なバランスシートを持つ急成長企業に興味があるのなら、遅滞なくネットキャッシュ成長株のリストをチェックしよう。
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ABC-MartInc
Engages in the retailing of shoes, clothing, and general merchandise products for men, women, and kids in Japan.