株式分析

トーセイ (TSE:8923) 借入金でリスクを負う

TSE:8923
Source: Shutterstock

投資家としてリスクを考えるには、負債よりもボラティリティが一番だと言う人もいるが、ウォーレン・バフェットは『ボラティリティはリスクと同義語とは程遠い』と言ったのは有名な話だ。 負債過多は破滅につながる可能性があるからだ。 トーセイコーポレーション(TSE:8923)が事業で負債を使用していることはわかる。 しかし、より重要な問題は、その負債がどれほどのリスクを生み出しているかということだ。

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負債がもたらすリスクとは?

フリーキャッシュフローや魅力的な価格での資本調達によって、その債務を容易に履行できない場合、負債やその他の負債はビジネスにとってリスクとなる。 最悪のシナリオでは、債権者への支払いができなくなった場合、企業は倒産する可能性がある。 しかし、より一般的な(それでも痛みを伴う)シナリオは、低い価格で新たな資本を調達しなければならず、その結果、株主が恒久的に希薄化することである。 とはいえ、最も一般的な状況は、企業が負債を合理的に管理し、自社に有利になるようにすることである。 企業の負債水準を検討する際には、まず現金と負債を合わせて検討する必要がある。

トーセイの純負債とは?

下のグラフをクリックすると過去の数字が表示されるが、2024年11月時点で1,639億円の有利子負債があり、1年前の1,441億円から増加している。 一方、現金は349億円あり、純有利子負債は約1,290億円である。

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東証:8923 2025年4月4日の有利子負債残高の推移

トーセイのバランスシートの強さは?

直近の貸借対照表によると、12カ月以内に返済期限が到来する負債が346億円、12カ月以 降に返済期限が到来する負債が1,513億円ある。 これらの債務と相殺される349億円の現金と、12ヶ月以内に支払われる86.1億円の債権がある。 つまり、現金と短期債権を合わせると、1,425億円の負債があることになる。

この不足額が同社の時価総額1,107億円を上回っていることを考えると、貸借対照表を注意深く見直したくなるかもしれない。 仮に、現在の株価で増資を行い負債を返済するとすれば、極めて大きな希薄化が必要となる。

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当社では、利益に対する負債水準を知るために、主に2つの比率を用いている。ひとつは純有利子負債をEBITDA(金利・税金・減価償却費控除前利益)で割ったもので、もうひとつはEBIT(金利・税金・減価償却費控除前利益)が支払利息を何倍カバーしているか(略してインタレストカバー)である。 このように、債務の絶対額と支払金利の両方を考慮する。

トーセイのEBITDAに対する純負債の比率は6.4とかなり低いが、インタレスト・カバレッジは16.5と非常に高い。 これは、同社が非常に安価な負債を利用できない限り、支払利息が将来増加する可能性が高いことを意味する。 もしトーセイが昨年1年間のEBITを14%のペースで成長させ続けることができれば、負債を管理しやすくなるだろう。 負債についてバランスシートから最も多くを学ぶことは間違いない。 しかし、トーセイが長期的にバランスシートを強化できるかどうかは、最終的には事業の将来の収益性によって決まる。 将来を重視するのであれば、アナリストの利益予測を示したこの無料レポートをご覧いただきたい。

最後に、企業が負債を返済できるのは、会計上の利益ではなく、冷厳な現金だけである。 そこで私たちは、EBITがどれだけフリー・キャッシュフローに変換されているかを常にチェックしている。 過去3年間を考えると、トーセイは全体としてキャッシュ・アウトを記録している。 フリー・キャッシュ・フローが不安定な企業にとって、借金ははるかにリスクが高い。従って株主は、過去の支出が将来フリー・キャッシュ・フローを生み出すことを期待すべきである。

当社の見解

一見したところ、トーセイのEBITからフリー・キャッシュ・フローへの転換は、この銘柄に慎重な見方を残している。 しかし明るい面もあり、金利カバー率は良い兆候であり、我々を楽観的にさせる。 全体として、トーセイのバランスシートは事業にとってかなりのリスクであると思われる。 そのため、私たちはこの銘柄に対してかなり慎重であり、株主は流動性を注視すべきだと考える。 負債についてバランスシートから最も多くを学ぶことは間違いない。 しかし、投資リスクのすべてが貸借対照表にあるわけではない。 当社の投資分析では、トーセイは 2つの警告サインを示して おり、そのうちの1つは無視できない...。

もちろん、もしあなたが負債を背負わずに株を買いたいタイプの投資家なら、迷わず当社の純現金成長株リストをご覧いただきたい。

評価は複雑だが、我々はそれを単純化するためにここにいる。

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This article has been translated from its original English version, which you can find here.