Stock Analysis
霞が関キャピタル株式会社(東証:3498)の株価は、好調な決算発表を受けて上昇した。 好調な利益数字とは裏腹に、投資家が目を向けるべき深い問題があると考えている。
霞が関キャピタルの業績を詳しく見る
キャッシュフローからの発生比率という言葉を聞いたことがない投資家も多いと思うが、これは、ある期間において、企業の利益がどれだけフリーキャッシュフロー(FCF)に裏付けられているかを示す有用な指標である。 分かりやすく言えば、この比率は純利益からFCFを差し引き、その数字をその期間の会社の平均営業資産で割ったものである。 この比率は、企業の利益のうち、フリー・キャッシュフローに裏付けられていないものがどれだけあるかを示している。
つまり、発生主義比率がマイナスであることは良いことであり、それはその企業が利益から想像されるよりも多くのフリーキャッシュフローをもたらしていることを示しているからである。 つまり、発生主義比率がマイナスであることは良いことなのである。 LewellenとResutekによる2014年の論文を引用すると、「発生率の高い企業は将来的に収益性が低くなる傾向がある」。
2024年8月までの12ヶ月間で、霞が関キャピタルは0.34の発生比率を記録した。 残念ながら、これはフリー・キャッシュ・フローが法定利益を大幅に下回っていることを意味し、利益の目安としての有用性を疑わせる。 昨年1年間のフリーキャッシュフローは、前述の50.2億円の利益とは対照的に110億円のマイナスとなった。 霞が関キャピタルのフリーキャッシュフローは昨年もマイナスであった。 特筆すべきは、同社が新株を発行したため、既存株主が希薄化し、将来的な利益分配率が低下したことである。
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一株当たりのリターンの可能性を理解するためには、企業が株主をどれだけ希薄化しているかを考慮することが不可欠である。 実際、霞が関キャピタルは新株を発行し、過去12ヶ月で発行済み株式数を20%増加させた。 その結果、純利益はより多くの株式に分配されることになった。 一株当たり利益に気づかずに純利益を語ることは、大きな数字に気を取られ、一株当たりの価値を語る小さな数字を無視することである。 霞が関CapitalLtdの過去のEPS成長率をチェックするには、このリンクをクリックしてください。
霞が関CapitalLtdの希薄化が1株当たり利益(EPS)に与える影響を見る
霞が関キャピタルは過去3年間、年率533%の増益を記録している。 しかし、EPSは全く同じ期間に年率346%しか増加していない。 そして、過去1年間の利益の145%増は一見して印象に残る。 一方、一株当たり利益はその間に114%しか増えていない。 つまり、希薄化が株主に少し影響を与えていることがわかる。
株価の変動は、長期的には1株当たり利益の変動を反映する傾向がある。 そのため、霞が関キャピタルがEPSを持続的に成長させることができれば、株主にとってプラスになることは間違いない。 しかし、利益が増加しても一株当たり利益が横ばい(あるいは減少)であれば、株主はあまりメリットを感じないかもしれない。 一般の個人株主にとって、EPS は、会社の利益に対する仮定の「取り分」を確認するのに最適な指標である。
霞が関キャピタルの利益パフォーマンスに関する我々の見解
結局のところ、霞が関キャピタルは利益をキャッシュフローと一致させることができず、希薄化によって一株当たり利益の伸びが純利益の伸びに遅れをとっている。 これらのことを考慮すると、霞が関キャピタルの利益は、その持続可能な収益性の水準に過大な印象を与えているのではないだろうか。 収益の質も重要だが、霞が関キャピタルが現時点で直面しているリスクを考慮することも同様に重要だ。 どの企業にもリスクはあり、霞が関キャピタルには4つの警告サイン(うち3つは不快!)がある。
霞が関キャピタルの検証では、同社の業績を実際よりも良く見せることができる特定の要因に焦点を当てた。その上で、我々はやや懐疑的である。 しかし、些細なことに心を集中させることができれば、常に多くの発見があるものだ。 株主資本利益率(ROE)が高いことが優良企業の証と考える人もいる。 そこで、 高い株主資本利益率を誇る企業の 無料 コレクションや、 インサイダー保有率の高い銘柄のリストをご覧いただきたい。
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Kasumigaseki CapitalLtd
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