Stock Analysis

小野薬品工業(TSE:4528)の低調な業績からは逃れられない

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TSE:4528

小野薬品工業(東証:4528)の株価収益率(PER)8.1倍は、約半数の企業がPER15倍を超え、PER23倍超もザラにある日本市場と比較すると、今が買いのように見えるかもしれない。 とはいえ、PERの引き下げに合理的な根拠があるかどうかを判断するには、もう少し掘り下げる必要があるだろう。

最近の小野薬品工業の業績は、他社を上回るペースで上昇している。 好調な業績が大幅に悪化すると多くの人が予想しているため、PERが抑制されているのかもしれない。 小野薬品工業が好きなら、そうならないことを願っているはずだ。

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東証:4528 株価収益率 vs 業界 2024年6月24
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成長は低PERに見合うか?

小野薬品工業のPERを正当化するためには、市場を引き離す低成長が必要だ。

昨年度の利益成長率を確認すると、同社は15%増という驚異的な伸びを記録している。 直近の業績が好調だったということは、過去3年間でEPSを合計80%成長させることもできたということだ。 従って、株主はこうした中期的な利益成長率を歓迎したことだろう。

展望に目を転じると、今後3年間は収益が減少し、アナリスト9名の予想では年率5.0%の減益となる。 他の市場が年率9.6%の成長を見込んでいるのだから、これは決して良いことではない。

この情報では、小野薬品が市場より低いPERで取引されていることに驚きはない。 しかし、業績の縮小が長期的に安定したPERにつながるとは考えにくい。 弱い見通しが株価の重荷となっているため、この株価を維持するだけでも難しいかもしれない。

小野薬品工業のPERから何を学ぶか?

株価収益率(PER)は、特定の業界では価値を測る指標としては劣るという議論があるが、強力な景況感指標となり得る。

小野薬品工業が低PERを維持しているのは、予想通り業績が低迷しているためだ。 現段階では、投資家は収益改善の可能性が、高いPERを正当化できるほど大きくないと感じている。 このような状況では、近い将来に株価が大きく上昇するとは考えにくい。

投資リスクは常に存在する。 小野薬品工業には1つの警告サインがある。

これらのリスクによって小野薬品工業に対する意見を再考されるのであれば、当社の対話型優良銘柄リストをご覧になり、他にどのような銘柄があるのか見当をつけていただきたい。