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マイクロアド(東証:9553)は危険な投資か?

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TSE:9553

投資家としてリスクを考えるには、負債よりもボラティリティが一番だと言う人もいるが、ウォーレン・バフェットは『ボラティリティはリスクと同義語とは程遠い』と言ったのは有名な話だ。 負債過多は破滅につながる可能性があるからだ。 マイクロアド社(東証:9553)の貸借対照表には負債がある。 しかし本当の問題は、この負債が同社をリスキーにしているかどうかである。

なぜ負債がリスクをもたらすのか?

借入金は、事業が新たな資本またはフリーキャッシュフローで返済に窮するまで、事業を支援する。 資本主義の一部には、失敗した事業が銀行家によって容赦なく清算される「創造的破壊」のプロセスがある。 これはあまり一般的ではないが、負債を抱えた企業が、貸し手から窮迫した価格で資金調達を余儀なくされ、株主を永久に希薄化させることはよくあることだ。 もちろん、負債の利点は、それがしばしば安価な資本を意味することであり、特に企業の希薄化を高い収益率で再投資する能力に置き換えた場合である。 企業の負債水準を検討する際の最初のステップは、現金と負債を合わせて検討することである。

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MicroAdの負債とは?

下の画像をクリックすると詳細が表示されるが、2024年9月時点のマイクロアドの有利子負債は24.0億円で、1年後の11.8億円から増加している。 しかし、それを相殺する24.8億円のキャッシュがあり、7,400万円のネットキャッシュがあることになる。

東証:9553 負債資本比率の推移 2025年1月28日

マイクロアドのバランスシートの強さは?

最新の貸借対照表を見ると、1年以内に期限の到来する負債が41.7億円、それ以降に期限の到来する負債が3.30億円ある。 一方、現金は24億8,000万円、12ヵ月以内に回収期限の到来する債権は18億1,000万円である。 負債は現金と短期債権の合計より2億700万円多い。

もちろん、マイクロアドの時価総額は65.4億円であるため、これらの負債は管理可能であろう。 とはいえ、同社のバランスシートが悪い方向に変化しないよう、注視し続ける必要があることは明らかだ。 特筆すべき負債がある一方で、マイクロアドは負債よりも現金の方が多いので、負債を安全に管理できると確信している。

というのも、同社のEBITは昨年1年間で63%減少したからだ。 企業の収益が悪化すると、貸し手との関係が悪化することがある。 債務残高を分析する場合、バランスシートを見るのは当然である。 しかし、マイクロアドが今後健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 そこで、将来に焦点を当てるのであれば、アナリストの利益予測を示したこの無料レポートをご覧ください。

なぜなら、企業は紙の利益では負債を支払えないからだ。 マイクロアドの貸借対照表にはネットキャッシュが計上されているかもしれないが、利息・税引き前利益(EBIT)をフリーキャッシュフローにどれだけ変換しているかを見るのは興味深い。 過去3年間、マイクロアドのフリーキャッシュフローはEBITの4.5%であり、これは極めて低い。 この低水準の現金化は、同社の負債管理・返済能力を弱体化させる。

まとめ

企業の負債総額を見ることは常に賢明であるが、マイクロアドのネットキャッシュが7,400万円あることは非常に心強い。 そのため、いくつかの改善点は見られるものの、マイクロアドのバランスシートについてはそれほど心配していない。 負債水準を分析する場合、バランスシートから始めるのは当然である。 しかし、すべての投資リスクが貸借対照表にあるわけではなく、むしろそうではない。 例えば、マイクロアドには 4つの警告サイン (と懸念すべき1つ )がある。

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