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神戸製鋼所(東証:5406)のバランスシートは健全か?

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TSE:5406

投資家としてリスクを考えるには、負債よりもむしろボラティリティが一番だと言う人もいるが、ウォーレン・バフェットは『ボラティリティはリスクと同義とは程遠い』と言ったのは有名な話だ。 負債過多は破滅につながる可能性があるからだ。 重要なのは、株式会社神戸製鋼所(TSE:5406)である(TSE:5406)は負債を抱えている。 しかし本当の問題は、この負債が同社をリスキーにしているかどうかである。

なぜ負債がリスクをもたらすのか?

一般的に言って、負債が現実的な問題となるのは、企業が資本調達や自らのキャッシュフローで簡単に返済できなくなった場合のみである。 事態が本当に悪化すれば、貸し手は事業をコントロールすることができる。 しかし、より一般的な(それでも痛みを伴う)シナリオは、低い価格で新たな株式資本を調達しなければならず、その結果、株主が恒久的に希薄化することである。 もちろん、負債の利点は、それがしばしば安価な資本を意味することであり、特に企業の希薄化を高い収益率で再投資する能力に置き換えた場合である。 企業の負債水準を検討する際の最初のステップは、現金と負債を合わせて検討することである。

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神戸製鋼所の負債額は?

下の図をクリックすると過去の数字が表示されるが、2024年3月時点の神戸製鋼の有利子負債は8,234億円で、1年前の8,618億円から減少している。 ただし、現金は2,788億円あるため、純有利子負債は5,446億円となる。

東証:5406 負債資本比率の推移 2024年8月8日

神戸製鋼所の負債

最新の貸借対照表を見ると、1年以内に返済期限が到来する負債は9,890億円、それ以降に返済期限が到来する負債は8,034億円となっている。 一方、現金は2,788億円、12ヶ月以内に支払期限の到来する債権は3,690億円である。 つまり、負債は現金と短期債権の合計より11.4億円多い。

この不足は、6,598億円の会社そのものに重くのしかかる。まるで、子供が本やスポーツ用品、トランペットを詰め込んだ巨大なリュックサックの重さに苦しんでいるかのようだ。 そのため、バランスシートを注意深く見ることは間違いない。 結局のところ、神戸製鋼は今日債権者に支払わなければならないのであれば、大規模な資本増強が必要になるだろう。

企業の収益に対する負債を評価するために、純負債をEBITDA(利払い・税引き・減価償却・償却前利益)で割り、EBIT(利払い・税引き前利益)を支払利息(インタレストカバー)で割って計算する。 このように、負債の絶対額と支払金利の両方を考慮する。

神戸製鋼の純有利子負債/EBITDA比率(1.8)は、負債に関して慎重であることを示している。 また、EBITが支払利息の26.1倍というのは、負債の負担が孔雀の羽のように軽いことを意味している。 特筆すべきは、神戸製鋼のEBITがイーロン・マスクよりも高く、昨年比でなんと116%も増加したことだ。 私たちが貸借対照表から負債について最も多くを学ぶことは間違いない。 しかし、神戸製鋼が長期的にバランスシートを強化できるかどうかは、最終的には事業の将来的な収益性によって決まる。 そこで、将来に焦点を当てるのであれば、アナリストの利益予測を示したこの無料レポートをご覧いただきたい。

なぜなら、企業は紙の利益では負債を支払えないからだ。 つまり、EBITが対応するフリー・キャッシュ・フローにつながっているかどうかを見る必要がある。 直近の3年間を見ると、神戸製鋼のフリーキャッシュフローはEBITの40%であり、予想よりも低い。 このような弱いキャッシュ転換は、負債を処理することをより困難にする。

当社の見解

神戸製鋼の負債総額の難易度には若干の不安を感じるが、ポジティブな点もある。 有利子負債カバー率とEBIT成長率は明るい兆しである。 上記の要因を総合すると、神戸製鋼の負債が事業にいくつかのリスクをもたらすと考えている。 有利子負債がリターンを押し上げる可能性はあるが、同社には現在十分なレバレッジがあると考える。 負債についてバランスシートから最も多くを学べることは間違いない。 しかし、すべての投資リスクがバランスシートの中にあるわけではない。 こうしたリスクを見つけるのは難しい。どの企業にもあるものだが、 神戸製鋼所には知って おくべき 3つの警告サイン (うち1つは気になる! )が ある。

すべてが終わってみれば、負債を必要としない企業に注目する方が簡単な場合もある。読者は今すぐ、純負債ゼロの成長株リストに 100%無料でアクセスできる。