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ADEKA(東証:4401)は危険な投資か?

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TSE:4401

バークシャー・ハサウェイのチャーリー・マンガーが支援する外部ファンド・マネージャー、リー・ルー氏は、『最大の投資リスクは価格の変動ではなく、資本が永久に失われるかどうかだ』と言って、そのことを強調していない。 だから、ある銘柄のリスクの高さを考えるときに、負債を考慮する必要があるのは明らかかもしれない。 重要なのは、株式会社ADEKA(東証:4401)が負債を抱えているということだ。 しかし、この負債は株主にとって問題なのだろうか?

負債はいつ問題になるのか?

借入金は、新たな資本やフリー・キャッシュ・フローで返済することが困難になるまで、ビジネスを支援する。 事態が本当に悪化した場合、貸し手は事業をコントロールすることができる。 しかし、より頻繁に発生する(それでもコストはかかる)のは、バランスシートを補強するためだけに、企業がバーゲン価格で株式を発行し、株主を永久に希薄化させなければならない場合である。 もちろん、有利子負債の利点は、それがしばしば安価な資本であることであり、特に企業の希薄化を高い収益率で再投資する能力に置き換えた場合である。 負債水準を検討する際には、まず現金と負債水準の両方を合わせて検討する。

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ADEKAの負債とは?

下記の通り、2024年3月末時点の有利子負債は753億円で、1年前の559億円から増加している。詳細は画像をクリック。 一方、現金は1,039億円あり、ネットキャッシュは286億円ある。

東証:4401 2024年6月3日現在の有利子負債の推移

ADEKAの負債の状況

直近の貸借対照表によると、12ヶ月以内に返済期限が到来する負債が1,344億円、 12ヶ月超に返済期限が到来する負債が690億円となっている。 その一方で、1,039億円の現預金と1,156億円の売掛債権が12ヶ月以内に 返済される。 流動資産は161億円多い

この黒字は、ADEKAが保守的なバランスシートを持っていることを示唆している。 簡単に言えば、ADEKAが負債より現金の方が多いということは、負債を安全に管理できることを示唆していると言って間違いないだろう。

ADEKAが12ヶ月間でEBITを9.4%増加させたことは朗報であり、債務返済に関する懸念が和らぐはずだ。 負債水準を分析する場合、バランスシートから始めるのは当然である。 しかし、アデカが長期的にバランスシートを強化できるかどうかは、最終的には事業の将来の収益性によって決まる。 専門家がどう考えているか知りたい方は、アナリストの利益予測に関する無料レポートが興味深いでしょう。

最後に、企業が負債を返済できるのは、会計上の利益ではなく、冷徹な現金だけである。 ADEKAの貸借対照表にはネット・キャッシュが計上されているかもしれないが、利払い・税引き前利益(EBIT)をフリー・キャッシュ・フローにどれだけ変換しているかを見るのは興味深い。 過去3年間、ADEKAのフリー・キャッシュ・フローはEBITの27%で、予想より少なかった。 債務の返済となると、これはあまり良くない。

まとめ

企業の負債を調査するのは常に賢明なことだが、今回のケースでは、ADEKAには286億円のネットキャッシュがあり、バランスシートも良好だ。 また、昨年度のEBITは9.4%増加した。 したがって、ADEKAが負債を利用することに問題はない。 長期的には、株価は一株当たり利益に追随する傾向があるので、もしADEKAに興味があれば、ここをクリックして一株当たり利益の履歴をインタラクティブなグラフで確認するとよいだろう。

それでもなお、堅固なバランスシートを持つ急成長企業に興味がおありなら、当社の純現金成長株リストをご覧いただきたい。