Stock Analysis
デービッド・アイベンは、『ボラティリティは我々が気にするリスクではない。我々が気にかけるのは、資本の永久的な損失を避けることである』。 事業が破綻するときには負債が絡むことが多いので、企業のリスクの高さを調べるときにバランスシートを考慮するのは当然のことだ。 田岡化学工業株式会社(東証:4113)が事業において負債を使用していることはわかる。 しかし、本当の問題は、この負債が同社をリスキーにしているかどうかである。
負債がもたらすリスクとは?
有利子負債やその他の負債は、フリーキャッシュフローや魅力的な価格での資本調達によって、その債務を容易に履行することができない場合に、事業にとってリスクとなる。 事態が本当に悪化すれば、貸し手は事業をコントロールすることができる。 このような事態はあまり一般的ではないが、負債を抱えた企業が、貸し手によって窮迫した価格での増資を余儀なくされ、株主が恒久的に希薄化するケースはよく見られる。 しかし、希薄化の代わりに負債を活用することで、高い収益率で成長に投資するための資金を必要とする企業にとって、負債は非常に優れた手段となり得る。 企業がどの程度の負債を使用するかを検討する際に最初に行うべきことは、現金と負債を合わせて見ることである。
田岡化学工業の負債とは?
下の画像をクリックすると詳細が表示されるが、田岡化学工業の2024年6月末の負債は20.9億円で、1年前の42.8億円から減少している。 一方、現金は10.1億円あり、純有利子負債は約10.8億円となっている。
田岡化学工業のバランスシートの健全性は?
直近の貸借対照表を見ると、1年以内に返済期限が到来する負債が83.2億円、それ以降に返済期限が到来する負債が40.8億円ある。 一方、現金は10億1,000万円、1年以内に回収期限の到来する債権は63億8,000万円である。 つまり、現金と短期債権の合計より、負債の方が50億1,000万円多い。
田岡化学工業の時価総額は141億円であり、増資によってバランスシートを強化することは可能だろう。 しかし、希薄化することなく負債を管理できるかどうかは、是非とも精査する必要があることは明らかだ。
私たちは、利益に対する負債水準について知るために、主に2つの比率を使用しています。ひとつは、純有利子負債を利払い・税引き・減価償却・償却前利益(EBITDA)で割ったもので、もうひとつは、利払い・税引き前利益(EBIT)が支払利息を何倍カバーしているか(略してインタレスト・カバー)です。 このアプローチの利点は、負債の絶対額(EBITDAに対する純有利子負債)と、その負債に関連する実際の支払利息(インタレスト・カバレッジ・レシオ)の両方を考慮することである。
田岡化学工業の純負債はEBITDAのわずか0.35倍で、汗をかくことなくレバレッジを拡大できることを示唆している。 しかし、本当にクールなのは、昨年1年間で、実際に支払った利息よりも多くの利息を受け取ることができたということだ。 鉄板焼きのシェフが調理をするように、同社は負債を処理することができるのだ。 さらに、田岡化学工業は昨年、EBITを536%伸ばした。 この向上により、今後の負債返済はさらに容易になるだろう。 負債を分析する際、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし最終的には、事業の将来の収益性が、田岡化学工業が長期的にバランスシートを強化できるかどうかを決定する。 プロフェッショナルの意見を知りたい方は、アナリストの利益予測に関する無料レポートが面白いかもしれない。
最後に、企業は負債を返済するためにフリーキャッシュフローを必要とする。 そのため、EBITがどれだけフリーキャッシュフローに裏付けられているかをチェックする価値がある。 過去3年間、田岡化学工業のフリー・キャッシュ・フローは大幅なマイナスとなった。 投資家たちは間違いなく、この状況がやがて逆転することを期待しているだろうが、負債の使用がよりリスキーであることは明らかだ。
当社の見解
田岡化学工業のEBITからフリー・キャッシュフローへの転換は、今回の分析では実質的なマイナスであったが、我々が考慮した他の要素はかなり良好であった。 EBITで支払利息をカバーする能力がかなり高いことは間違いない。 このデータ範囲を考慮すると、田岡化学工業の負債水準は管理しやすい状態にあると思われる。 とはいえ、その負担は十分に重いため、株主の皆様には注視していただくことをお勧めする。 バランスシートは、負債を分析する際に注目すべき分野であることは明らかだ。 しかし、すべての投資リスクがバランスシートにあるわけではない。 例えば、田岡化学工業に投資する前に注意すべき3つの兆候を発見した。
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Taoka Chemical Company
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