Stock Analysis
投資家としてリスクを考えるには、負債よりもボラティリティが一番だと言う人もいるが、ウォーレン・バフェットは『ボラティリティはリスクと同義語とは程遠い』と言ったのは有名な話だ。 負債過多は破滅につながる可能性があるからだ。 他の多くの企業と同様、JFLAホールディングス(東証:3069)も負債を利用している。 しかし、より重要な問題は、その負債がどれほどのリスクを生み出しているかということだ。
なぜ負債がリスクをもたらすのか?
借入金は、事業が新たな資本またはフリー・キャッシュ・フローで返済に窮するまで、事業を支援する。 資本主義の一部には、失敗した事業が銀行家によって容赦なく清算される「創造的破壊」のプロセスがある。 このようなことはあまり一般的ではないが、負債を抱えた企業が、貸し手から窮迫した価格での資本調達を余儀なくされ、株主を永久に希薄化させることはよくあることだ。 もちろん、成長資金を調達するために負債を利用している企業もたくさんあり、そのような企業には悪影響はない。 企業がどの程度の負債を利用しているかを考える際にまず行うべきことは、現金と負債を合わせて見ることである。
JFLAホールディングスの負債額は?
下のグラフをクリックすると詳細が見られるが、JFLAホールディングスの2024年3月時点の有利子負債は189億円で、前年とほぼ同じである。 ただし、現金は57.3億円あるため、純有利子負債は132億円となる。
JFLAホールディングスのバランスシートの健全性は?
直近の貸借対照表を見ると、1年以内に返済期限が到来する負債が107億円、それ以 降に返済期限が到来する負債が222億円ある。 一方、現金は57億3,000万円、12カ月以内に回収期限の到来する債権は81億5,000万円である。 つまり、現金と短期債権を合計すると191億円の負債がある。
この赤字は64億2,000万円の同社に影を落としており、まるで凡人の上にそびえ立つ巨像のようだ。 JFLAホールディングスのバランスシートを注視したい。 結局のところ、JFLAホールディングスは、今日債権者に支払わなければならないのであれば、大規模な資本増強が必要になるだろう。
JFLAホールディングスは、利益に対する負債水準を知るために、主に2つの比率を用いている。ひとつは純有利子負債をEBITDA(金利・税金・減価償却費控除前利益)で割ったもので、もうひとつはEBIT(金利・税金・減価償却費控除前利益)が支払利息を何倍カバーしているか(略してインタレストカバー)である。 このアプローチの利点は、有利子負債の絶対額(EBITDAに対する純有利子負債)と、その負債に関連する実際の支払利息(インタレスト・カバレッジ・レシオ)の両方を考慮に入れることである。
2.0倍という低いインタレスト・カバー率と、5.1倍という高いEBITDA純有利子負債比率は、JFLAホールディングスに対する信頼感を、まるで腹に一発殴られたような衝撃を与えている。 つまり、JFLAホールディングスは重い負債を抱えていると考えられる。 しかし、JFLAホールディングスの直近1年間のEBITが8億1,500万円の黒字となり、前年の赤字から改善したことは明るい材料である。 負債を分析する際、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし、JFLAホールディングスは負債を返済するために利益を必要とするため、負債を完全に切り離して見ることはできない。 JFLAホールディングスの収益について詳しく知りたい方は、長期的な収益推移のグラフをご覧いただきたい。
最後に、企業が負債を返済するためにはフリーキャッシュフローが必要である。 そのため、金利・税引前利益(EBIT)のうち、フリー・キャッシュ・フローがどれだけ裏付けされているかをチェックする価値がある。 株主にとってうれしいことに、JFLAホールディングスは昨年、EBITを上回るフリー・キャッシュ・フローを生み出している。 金融機関の機嫌を損ねないためには、現金の流入に勝るものはない。
当社の見解
率直に言って、JFLAホールディングスの金利カバー率と負債総額を上回っている実績の両方から、その負債水準にはかなり違和感がある。 しかし、少なくともEBITをフリー・キャッシュフローに変換する能力はかなり高い。 全体として、JFLAホールディングスには十分な負債があり、バランスシートには現実的なリスクがあると言える。 すべてがうまくいけば、それはリターンを押し上げるはずだが、その反面、負債によって恒久的な資本損失のリスクが高まる。 私たちがバランスシートから負債について最も多くを学んでいることは間違いない。 しかし、すべての投資リスクがバランスシートの中にあるわけではない。 こうしたリスクを見つけるのは難しい。 JFLAホールディングスの2つの警告サイン (うち1つは潜在的に深刻!)は、どの企業にもある。
もちろん、もしあなたが負債を背負わずに株を買いたいタイプの投資家なら、迷わず当社の純現金成長株リストをご覧いただきたい。
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