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円谷フィールズ・ホールディングス(東証:2767)は危険な投資か?

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TSE:2767

デービッド・アイベンは、『ボラティリティは我々が気にするリスクではない。我々が気にかけるのは、資本の永久的な損失を避けることである』。 負債過多は破滅につながる可能性があるからだ。 円谷フィールズ・ホールディングス(TSE:2767)は、事業において負債を使用していることがわかる。 しかし、この負債は株主にとって懸念材料なのだろうか?

借金はいつ危険なのか?

借金はビジネスを成長させるためのツールだが、もしビジネスが貸し手に返済できないのであれば、そのビジネスは貸し手の言いなりになってしまう。 事態が本当に悪化すれば、貸し手は事業をコントロールすることができる。 しかし、より頻繁に発生する(それでもコストはかかる)事態は、企業がバランスシートを補強するためだけに、バーゲン価格で株式を発行し、株主を永久に希薄化させなければならない場合である。 とはいえ、最も一般的な状況は、企業が負債を合理的に管理し、自社に有利になるようにすることである。 企業の負債水準を検討する際の最初のステップは、現金と負債を一緒に検討することである。

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円谷フィールズ・ホールディングスの負債額は?

円谷フィールズ・ホールディングスの有利子負債は2024年6月時点で122億円と、前年の136億円から減少している。 しかし、それを相殺する220億円の現金があり、98.2億円のネットキャッシュを保有していることになる。

東証:2767 2024年8月29日現在の有利子負債残高の推移

円谷フィールズ・ホールディングスのバランスシートは健全か?

直近の貸借対照表を見ると、1年以内に返済期限が到来する負債が287億円、それ以 降に返済期限が到来する負債が104億円ある。 一方、現金は220億円、12ヶ月以内に回収予定の債権は148億円ある。 つまり、負債が現金と(短期)債権の合計を22.3億円上回っている。

円谷フィールズ・ホールディングスの規模を考慮すると、流動資産と負債のバランスはとれているようだ。 1,225億円規模の同社が資金繰りに苦しんでいるとは考えにくいが、バランスシートを注視する価値はあると思われる。 円谷フィールズ・ホールディングスは、負債が多いにもかかわらず、ネットキャッシュを誇っている!

一方、円谷フィールズ・ホールディングスのEBITは直近1年間で3.8%減少した。 このような落ち込みが続けば、負債の処理が難しくなるのは明らかだ。 負債についてバランスシートから最も多くを学ぶことは間違いない。 しかし、円谷フィールズ・ホールディングスが長期的にバランスシートを強化できるかどうかは、最終的には事業の将来的な収益性によって決まる。 プロの意見を知りたい方は、アナリストの利益予測に関する無料レポートが面白いかもしれない。

なぜなら、企業は紙の利益では負債を支払えないからだ。 円谷フィールズ・ホールディングスの貸借対照表にはネット・キャッシュが計上されているが、そのキャッシュ・バランスの構築(または減少)のスピードを理解するために、同社のEBIT(利払い前・税引き前利益)をフリー・キャッシュ・フローに変換する能力を見てみる価値がある。 直近の3年間で、円谷フィールズ・ホールディングスはEBITの69%に相当するフリーキャッシュフローを記録している。 このフリーキャッシュフローにより、同社は適切なタイミングで負債を返済することができる。

まとめ

企業の負債総額を見ることは常に賢明であるが、円谷フィールズ・ホールディングスが98.2億円のネット・キャッシュを持っていることは非常に心強い。 また、フリー・キャッシュ・フローが17億円とEBITの69%であることも印象的であった。 従って、円谷フィールズ・ホールディングスの負債使途がリスキーだとは思わない。 負債についてバランスシートから学ぶことが多いのは間違いない。 しかし結局のところ、どの企業もバランスシートの外に存在するリスクを含みうる。 例えば、 円谷フィールズ・ホールディングスの注意すべき兆候を3つ挙げて みた (2つは気になる)

もしあなたが、堅固なバランスシートを持つ急成長企業に興味があるのなら、遅滞なくネットキャッシュ成長株のリストをチェックしてほしい。