Stock Analysis
日野自動車(東証:7205)の最近の決算は、法定利益はまずまずの数字であったにもかかわらず、投資家は失望しているようだ。 当社の分析によると、懸念材料となりうる根本的な要因がいくつか見つかった。
日野自動車の収益に対するキャッシュフローの検証
企業が利益をフリーキャッシュフロー(FCF)にどの程度変換しているかを測定するために使用される主要な財務比率の1つは、発生率である。発生主義比率を求めるには、まず、ある期間の利益からFCFを差し引き、その数値をその期間の平均営業資産で割る。 この比率は、企業の利益のうち、フリー・キャッシュフローに裏付けられていないものがどれだけあるかを示している。
その結果、発生比率がマイナスであれば企業にとってプラスとなり、プラスであればマイナスとなる。 現金以外の利益が一定水準にあることを示す発生主義比率がプラスであることは問題ではないが、発生主義比率が高いことは、紙の利益がキャッシュフローに見合わないことを示すため、間違いなく悪いことである。 LewellenとResutekによる2014年の論文を引用すると、「発生が高い企業は将来的に収益性が低くなる傾向がある」。
2024年3月期の日野自動車の発生率は0.29である。 従って、日野自動車のフリー・キャッシュフローは法定利益を大幅に下回っており、利益という数字が本当に有用なのか疑問が残る。 昨年1年間のフリーキャッシュフローは1,860億円のマイナスとなり、前述の171億円の利益とは対照的である。 日野自動車のフリーキャッシュフローは昨年もマイナスであった。 しかし、考慮すべき点はそれだけではない。 発生主義比率は、少なくとも部分的には、法定利益に対する異常項目の影響を反映している。 日野自動車の株主にとってプラスとなるのは、昨年は発生比率が大幅に改善したことであり、将来的にはキャッシュコンバージョンがより強固なものに戻る可能性があると考える根拠となる。 その結果、一部の株主は今期のキャッシュコンバージ ョンの強化を期待しているかもしれない。
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異常項目が利益に与える影響
発生主義を考慮すれば、日野自動車の利益が過去1年間に520億円の特別項目によって押し上げられたことは驚くにはあたらない。 利益が増えるのは喜ばしいことだが、特別損益が大きく寄与することは、時にわれわれの意欲を削ぐ。 世界中の上場企業の大半を分析したところ、重要な特別項目は繰り返されないことが多いことがわかった。 そしてそれは、これらの増益要因が「異例」と表現されることから予想される通りである。 日野自動車の2024年3月期の利益に対して、プラスの特別項目がかなり大きかったことがわかる。 他の条件がすべて同じであれば、これは法定利益を基礎的な収益力のガイドとしては不十分なものにする効果があると思われる。
日野自動車の利益パフォーマンスに関する我々の見解
まとめると、日野自動車は特殊要因による利益の押し上げ効果はあったが、ペーパー利益とフリーキャッシュフローを一致させることはできなかった。 上記の理由から、日野自動車の法定利益を瞥見すると、基礎的なレベルでは実際よりも良く見えるかもしれないと考える。 そのため、日野自動車についてより詳しく分析したいのであれば、リスクについて知っておくことが重要である。 例えば、日野自動車には2つの注意点がある。
この記事では、利益数値の有用性を損なう可能性のある多くの要因を見てきたが、私たちは慎重になっている。 しかし、些細なことに心を集中させることができる人であれば、常に発見できることがある。 例えば、自己資本利益率が高いことを好景気の表れと考える人は多いし、「お金を追う」のが好きで、インサイダーが買っている銘柄を探す人もいる。 少し調べる手間がかかるかもしれないが、自己資本利益率が 高い企業の 無料 コレクションや、 インサイダーの保有が多い銘柄のリストが役に立つかもしれない。
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