投資家としてリスクを考えるには、負債よりもむしろボラティリティが一番だと言う人もいるが、ウォーレン・バフェットは『ボラティリティはリスクと同義とは程遠い』と言ったのは有名な話だ。 つまり、賢い投資家は、企業のリスクを評価する際、負債(通常倒産に関わる)が非常に重要な要素であることを知っているようだ。 重要なのは、名村造船所(東証:7014)である。(東証:7014)は負債を抱えている。 しかし、この負債は株主にとって懸念材料なのだろうか?
負債がもたらすリスクとは?
負債は、事業が新たな資本またはフリー・キャッシュ・フローで返済に困るまで、事業を支援する。 最悪のシナリオでは、債権者への支払いができなくなった場合、企業は倒産する可能性がある。 しかし、より一般的な(それでも痛みを伴う)シナリオは、低い価格で新たな株式資本を調達しなければならず、その結果、株主が恒久的に希薄化することである。 しかし、希薄化の代わりに負債を活用することで、高い収益率で成長に投資するための資金を必要とする企業にとって、負債は非常に優れた手段となり得る。 企業がどの程度の負債を使用するかを検討する際に最初に行うべきことは、現金と負債を合わせて見ることである。
名村造船の負債額は?
下の図をクリックすると過去の数字が表示されるが、2024 年 3 月現在、名村造船所の有利子負債は 130 億円で、1 年前の 115 億円から増加している。 一方、現金は554億円あり、ネット・キャッシュは423億円ある。
名村造船のバランスシートの健全性は?
最新の貸借対照表を見ると、1 年以内に期限の到来する負債が 720 億円、それ以降に期限の到来する負債が 229 億円ある。 一方、現金は554億円、1年以内に回収予定の債権は457億円。 流動資産は負債を62.4億円上回る。
この短期流動性は、名村造船所のバランスシートが決して引き伸ばされていないため、おそらく負債を楽に返済できることを示している。 簡単に言えば、名村造船が負債より現金の方が多いという事実は、負債を安全に管理できるという良い兆候であることは間違いない。
その上、名村造船所は過去12カ月間でEBITを72%伸ばしており、この成長によって負債を処理しやすくなる。 貸借対照表から負債について最もよく知ることができるのは間違いない。 しかし、バランスシートが将来どのように維持されるかを左右するのは、名村造船の収益である。 そのため、負債を検討する際には、収益動向を見る価値があることは間違いない。インタラクティブなスナップショットはこちら。
最後に、税務署は会計上の利益を喜ぶかもしれないが、金融機関は現金しか認めない。 名村造船所の貸借対照表にはネット・キャッシュが計上されているかもしれないが、金利・税引前利益(EBIT)をフリー・キャッシュ・フローにどの程度変換しているかを見るのは興味深い。 過去2年間、名村造船所のフリー・キャッシュ・フローはEBITを上回った。 金融機関の機嫌を損ねないためには、現金の流入に勝るものはない。
まとめ
有利子負債を懸念する投資家には共感するが、名村造船所には423億円のネット・キャッシュがあり、負債よりも流動資産の方が多いことを念頭に置くべきである。 また、フリー・キャッシュ・フローは250億円で、EBITの124%である。 では、名村造船の負債はリスクなのだろうか?我々にはそうは見えない。 負債についてバランスシートから学ぶことが多いのは間違いない。 しかし、すべての投資リスクがバランスシートの中にあるわけではない。 こうしたリスクを見つけるのは難しい。どんな会社にもあるものだが、私たちは 名村造船所について知って おくべき 1つの警告サインを 見つけた。
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