Stock Analysis

前澤工業 (東証:6489) は健全な決算を発表したが、注意すべき他の要因もある。

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TSE:6489

前澤工業(東証:6489)が好決算を発表したが、株価は低迷している。 少し調べてみたところ、細部に気になる要素が見つかった。

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東証:6489 2024年7月18日の業績と収益の歴史

前澤工業の業績にズームイン

キャッシュフローからの発生比率という言葉を聞いたことがない投資家も多いと思うが、実は、ある期間において、企業の利益がフリーキャッシュフロー(FCF)によってどれだけ裏打ちされているかを示す有用な指標である。 分かりやすく言えば、この比率は純利益からFCFを差し引き、その数字をその期間の会社の平均営業資産で割ったものである。 この比率は、企業の利益がFCFをどれだけ上回っているかを示している。

その結果、発生比率がマイナスであれば企業にとってプラスとなり、プラスであればマイナスとなる。 現金以外の利益が一定水準にあることを示す発生主義比率がプラスであることは問題ではないが、発生主義比率が高いことは、紙の利益とキャッシュフローが一致していないことを示すため、間違いなく悪いことである。 特に、一般的に言って、発生主義比率が高いことは、目先の利益にとって悪い兆候であることを示唆するいくつかの学術的証拠がある。

前澤工業の2024年5月期の発生主義比率は0.21である。 残念ながら、これはフリー・キャッシュ・フローが報告された利益を大幅に下回っていることを意味する。 直近1年間のフリー・キャッシュ・フローはマイナスで、前述のように35.3億円の利益を計上したにもかかわらず、9,500万円の流出となっている。 1年前のFCFは19億円であったから、前澤工業は少なくとも過去にはFCFがプラスであった。

注:投資家は常にバランスシートの健全性をチェックすることをお勧めする。ここをクリックすると、前澤工業のバランスシート分析がご覧いただけます。

前澤工業の利益パフォーマンスに関する当社の見解

前澤工業の過去 12 ヶ月間の発生率は、キャッシュコンバージョンが理想的でないことを意味し、収益に対する見方としてはマイナスである。 従って、前澤工業の真の基礎収益力は法定利益を下回っている可能性がある。 しかし、少なくとも過去3年間のEPSが年率48%の成長であったことから、株主はいくらかの慰めを得ることができるだろう。 本稿の目的は、会社の潜在能力を反映する法定利益がどの程度信頼できるかを評価することであったが、他にも考慮すべきことはたくさんある。 つまり、収益の質も重要だが、現時点で前澤工業が直面しているリスクを考慮することも同様に重要なのだ。 当社の投資分析では前澤工業は3つの警告サインを示しており、そのうちの1つは重大なものである...。

このノートでは、前澤工業の利益の本質に光を当てる一つの要因に注目したに過ぎない。 しかし、些細なことに意識を集中させることができる人であれば、必ずもっと多くの発見があるはずだ。 自己資本利益率が高いことを優良企業の証と考える人もいる。 少し手間がかかるかもしれないが、自己資本利益率が高い企業を集めたフリー・ コレクションや インサイダー保有が多い銘柄リストは参考になるだろう。