Stock Analysis

前澤工業(東証:6489)は負債が多すぎる?

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TSE:6489

ハワード・マークスは、株価の変動を心配するよりも、『恒久的な損失の可能性こそ、私が心配するリスクであり、私が知っている実践的な投資家は皆、心配している』と言った。 負債過多は破滅につながる可能性があるからだ。 前澤工業株式会社(東証:6489)は、事業において負債を使用していることがわかる。 しかし、株主は負債の使用を心配すべきなのだろうか?

負債はいつ問題になるのか?

有利子負債やその他の負債が企業にとってリスクとなるのは、フリーキャッシュフローや魅力的な価格での資本調達によって、その債務を容易に履行できない場合である。 最悪のシナリオでは、債権者への支払いができなくなった場合、企業は倒産する可能性がある。 しかし、より一般的な(それでも痛みを伴う)シナリオは、低い価格で新たな株式資本を調達しなければならず、その結果、株主が恒久的に希薄化することである。 もちろん、負債もビジネス、特に資本の重いビジネスにおいては重要な手段となり得る。 企業の負債水準を検討する際の最初のステップは、現金と負債を一緒に考えることである。

前澤工業の最新の分析を見る

前澤工業の負債額は?

下の図をクリックすると過去の数字が表示されるが、2024年2月現在、前澤工業の有利子負債は42.2億円で、1年前の30.0億円から増加している。 しかし、それを相殺する48億円のキャッシュがあり、ネットキャッシュは5億8,800万円となっている。

東証:6489 負債資本比率の推移 2024年7月12日

前澤工業のバランスシートの強さは?

貸借対照表の最新データを拡大すると、12カ月以内に返済期限が到来する負債が 112億円、それ以降に返済期限が到来する負債が22.5億円ある。 一方、現金は48億円、1年以内に回収予定の債権は149億円。 つまり、流動資産は負債総額より62.5億円多い

前澤工業のバランスシートに潤沢な流動性があることは、保守的な負債管理を示唆している。 純資産が潤沢であるため、借入先との間に問題が生じる可能性は低い。 簡単に言えば、前澤工業が負債よりも現金の方が多いという事実は、負債を安全に管理できるという良い兆候であることは間違いない。

加えて、前澤工業がEBITを44%増加させ、将来の負債返済の可能性を減らしたことは喜ばしい。 負債を分析する際、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし、バランスシートが将来どのように維持されるかを左右するのは、前澤工業の収益である。 従って、負債を検討する際には、収益動向を見る価値があることは間違いない。インタラクティブなスナップショットはこちら

最後に、税務署は会計上の利益を喜ぶかもしれないが、金融機関は現金しか認めない。 前澤工業の貸借対照表にはネット・キャッシュが計上されているかもしれないが、金利・税引前利益(EBIT)をフリー・キャッシュ・フローにどれだけ変換しているかを見るのは興味深い。 過去3年間、前澤工業のフリー・キャッシュ・フローはEBITの27%で、予想より少なかった。 このキャッシュ・コンバージョンの低さは、負債を処理することをより困難にする。

まとめ

企業の有利子負債を調査することは常に賢明であるが、今回のケースでは、前澤工業は5億8,800万円のネットキャッシュを持ち、バランスシートも良好である。 また、昨年度のEBIT成長率は44%であった。 従って、前澤工業の負債使途がリスキーだとは思わない。 負債のレベルを分析する場合、バランスシートは当然始めるべき場所である。 しかし最終的には、どの企業もバランスシートの外に存在するリスクを含みうる。 例えば、前澤工業には 2つの警告 サインがある。

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