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酉島ポンプ製作所(東証:6363)は負債を維持できると考える

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TSE:6363

ウォーレン・バフェットは、『ボラティリティはリスクと同義ではない。 事業が破綻するときには負債が絡むことが多いのだから、企業のリスクの高さを調べるときにバランスシートを考慮するのは当然のことだ。 酉島ポンプ製造株式会社(東証:6363)に注目したい。(TSE:6363)は貸借対照表に負債を抱えている。 しかし、この負債は株主にとって懸念事項なのだろうか?

負債がもたらすリスクとは?

一般的に言って、負債が現実の問題となるのは、企業が資本調達や自身のキャッシュフローで簡単に返済できなくなった場合のみである。 事態が本当に悪化した場合、貸し手は事業をコントロールすることができる。 このような事態はあまり一般的ではないが、負債を抱えた企業が、貸し手によって窮迫した価格での増資を余儀なくされ、株主が恒久的に希薄化するケースはよく見られる。 しかし、希薄化に取って代わることで、高い収益率で成長に投資するための資金を必要とする企業にとって、負債は非常に優れた手段となり得る。 負債水準を検討する際には、まず現金と負債水準の両方を合わせて検討する。

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酉島ポンプの純負債はいくらですか?

下のグラフをクリックすると過去の数字が表示されるが、2024年3月期の酉島ポンプの有利子負債は148億円で、1年前の156億円から減少している。 一方、現金は134億円あり、純有利子負債は約14.2億円。

東証:6363 負債資本比率の推移 2024年8月6日

酉島ポンプの負債の推移

直近の貸借対照表を拡大すると、1年以内に返済期限が到来する負債が346億円、それ以 降に返済期限が到来する負債が143億円ある。 一方、現金は134億円、1年以内の債権は344億円。 つまり、現預金と1年以内の売掛金を合わせると11億円の負債があることになる。

酉島ポンプのバランスシートは、負債合計が流動資産とほぼ同額であることから、かなり堅固であることがわかる。 同社が資金繰りに苦しんでいるとは考えにくいが、バランスシートを注視する価値はあると思われる。

当社では、利益に対する負債水準について、主に2つの比率を用いている。ひとつは純有利子負債をEBITDA(利払い・税引き・減価償却費控除前利益)で割ったもので、もうひとつはEBIT(利払い・税引き・減価償却費控除前利益)が支払利息を何倍カバーしているか(略してインタレストカバー)である。 このアプローチの利点は、有利子負債の絶対額(EBITDA に対する純有利子負債)と、その負債に関連する実際の支払利息(インタレスト・カバレッジ・レシオ)の両方を考慮に入れることである。

酉島ポンプ製作所の純負債はEBITDAのわずか0.16倍であり、汗をかくことなくレバレッジを拡大できることを示唆している。 そして驚くべきことに、純有利子負債があるにもかかわらず、過去12ヶ月間、実際に支払わなければならなかった利息よりも多くの利息を受け取っている。 つまり、この会社が冷静さを保ちながら負債を抱えることができるのは間違いない。 また、酉島ポンプ製作所は昨年、EBITを15%増加させ、負債を管理する能力をさらに高めている。 負債水準を分析する場合、バランスシートは当然の手始めである。 しかし、酉島ポンプ製作所が今後健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 プロフェッショナルの意見を知りたい方は、アナリストの利益予測に関する無料レポートが面白いかもしれない。

最後に、税務署は会計上の利益を喜ぶかもしれないが、金融機関は現金しか認めない。 そのため、EBITがフリーキャッシュフローにどれだけ裏付けられているかをチェックする価値がある。 過去3年間を考えてみると、酉島ポンプ製作所は全体としてキャッシュ・アウトを記録している。 フリー・キャッシュ・フローがマイナスの企業では、通常、借入金はより高額になり、リスクも高くなる。株主は改善を望むべきだ。

当社の見解

良いニュースは、酉島ポンプ製作所がEBITで支払利息をカバーする能力を実証していることである。 しかし、EBITからフリー・キャッシュ・フローへの転換には懸念がある。 これらのことを考慮すると、酉島ポンプ製作所は、現在の負債水準を快適に処理できるように見える。 もちろん、レバレッジは株主資本利益率を高めるが、その分リスクも高くなる。 バランスシートは、負債を分析する際に注目すべき分野であることは明らかだ。 しかし、すべての投資リスクがバランスシートにあるわけではありません。 我々は、 酉島ポンプ製作所について 3つの警告サインを確認した

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