投資家としてリスクを考えるには、負債よりもむしろボラティリティが一番だと言う人もいるが、ウォーレン・バフェットは『ボラティリティはリスクと同義とは程遠い』と言ったのは有名な話だ。 負債過多は破滅につながる可能性があるからだ。 重要なのは、日本フイルコン株式会社(東証:5942)である。(TSE:5942) は負債を抱えている。 しかし、この負債は株主にとって懸念事項なのだろうか?
なぜ負債がリスクをもたらすのか?
負債やその他の負債は、フリーキャッシュフローや魅力的な価格での資本調達によって、その負債を容易に履行することができない場合、ビジネスにとってリスクとなる。 最悪のシナリオでは、債権者に支払いができなくなった場合、企業は倒産する可能性がある。 しかし、より一般的な(それでも痛みを伴う)シナリオは、低い価格で新たな資本を調達しなければならず、その結果、株主が恒久的に希薄化することである。 とはいえ、最も一般的な状況は、企業が負債を合理的に管理し、自社に有利になるようにすることである。 企業がどの程度の負債を使用しているかを検討する際に最初に行うべきことは、現金と負債を合わせて見ることである。
日本フイルコンの負債は?
下の図をクリックすると過去の数字が表示されるが、2024年5月現在、日本フイルコンの有利子負債は111億円で、1年前の105億円から増加している。 ただし、52.7億円の現金があり、これを相殺すると、純有利子負債は57.9億円となる。
日本フイルコンのバランスシートの強さは?
最新の貸借対照表を見ると、1年以内に返済期限が到来する負債が134億円、それ以降に返済期限が到来する負債が63億円ある。 これらの債務と相殺される52.7億円の現金と79.7億円の債権が12ヶ月以内に発生する。 負債は現金と短期債権の合計より65億円多い。
時価総額88億7,000万円に対してレバレッジの山である。 このことは、同社がバランスシートの補強を急ぐ必要がある場合、株主が大きく希薄化することを示唆している。
当社では、利益に対する負債水準を知るために、主に2つの比率を用いている。ひとつは純有利子負債をEBITDA(金利・税金・減価償却費控除前利益)で割ったもので、もうひとつはEBIT(金利・税金・減価償却費控除前利益)が支払利息を何倍カバーしているか(略してインタレストカバー)である。 このアプローチの利点は、有利子負債の絶対額(EBITDAに対する純有利子負債)と、その有利子負債に関連する実際の支払利息(インタレスト・カバレッジ・レシオ)の両方を考慮に入れることである。
日本フイルコンのEBITDAに対する有利子負債比率は2.5であり、これは多額の負債を意味するが、それでもほとんどのタイプの事業にとってはかなり合理的である。 しかし、EBITは支払利息の約82.1倍であり、同社がそのレベルの負債を維持するために高いコストを支払っていないことを示唆している。仮にこの低コストを維持できないとしても、これは良い兆候である。 重要なのは、日本フイルコンのEBITが過去12ヶ月で34%も減少したことだ。 このまま減少が続けば、債務返済は菜食主義者の大会でフォアグラを売るよりも難しくなるだろう。 負債を分析する際、バランスシートに注目すべきなのは明らかだ。 しかし、バランスシートが将来どのように維持されるかを左右するのは、日本フイルコンの収益である。 日本フイルコンの収益についてもっと知りたければ、長期的な収益推移のグラフをチェックする価値があるだろう。
最後に、税務署は会計上の利益を喜ぶかもしれないが、金融機関は現金しか認めない。 そのため、EBITが対応するフリーキャッシュフローにつながっているかどうかを見る必要がある。 過去3年間、日本フイルコンは大量の現金を消費した。 投資家は間違いなく、やがてこの状況が逆転することを期待しているが、それは明らかに、負債の使用がよりリスキーであることを意味する。
当社の見解
率直に言って、日本フイルコンのEBITからフリー・キャッシュ・フローへの変換と、EBITの(成長しない)実績の両方が、その負債水準にむしろ不快感を抱かせる。 しかし、明るい面として、金利カバー率は良い兆候であり、我々を楽観的にさせる。 総合的に見ると、日本フイルコンのバランスシートは事業にとってかなりのリスクであると思われる。 つまり、腹を空かせた子猫が飼い主の釣り堀に落ちるのと同じくらい、この銘柄を警戒しているのだ。 負債水準を分析する場合、バランスシートが出発点となるのは明らかだ。 しかし最終的には、どの企業も貸借対照表の外に存在するリスクを含みうる。 そのため、 日本フイルコンについて我々が発見した 4つの警告サインに 注意する必要がある。
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