Stock Analysis

日東紡績(東証:3110)は危険な投資か?

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TSE:3110

ウォーレン・バフェットは、『ボラティリティはリスクと同義ではない。 つまり、企業のリスクを評価する際、負債(通常倒産に関与する)が非常に重要な要素であることを、賢明な投資家たちは知っているようだ。 日東紡績株式会社(東証:3110)に注目したい。(TSE:3110)は貸借対照表に負債を抱えている。 しかし本当の問題は、この負債が同社を危険な会社にしているかどうかである。

負債が問題となるのはどのような場合か?

借金は企業の成長を助けるツールだが、もし企業が貸し手に返済する能力がなければ、その企業は貸し手の言いなりになってしまう。 最終的に、会社が法的な債務返済義務を果たせなければ、株主は何も手にすることができない。 しかし、より頻繁に発生する(それでもコストはかかる)のは、バランスシートを補強するためだけに、企業がバーゲン価格で株式を発行し、株主を永久に希薄化させなければならない場合である。 しかし、希薄化の代わりに、高い収益率で成長に投資するための資金を必要とする企業にとって、負債は非常に優れた手段となり得る。 私たちは、企業の負債の使用について考えるとき、まず現金と負債を一緒に見ます。

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日東紡績の純負債は?

下のグラフをクリックすると詳細が見られるが、日東紡績の2024年12月時点の有利子負債は484億円で、前年とほぼ同じである。 ただし、現金は224億円あるため、純有利子負債は260億円となる。

東証:3110 有利子負債比率の推移 2025年3月17日

日東紡績のバランスシートの強さは?

最新の貸借対照表を見ると、1年以内に返済期限が到来する負債が416億円、それ以降に返済期限が到来する負債が448億円ある。 一方、現金は224億円、1年以内に回収予定の売掛金は360億円。 負債は現金と短期債権の合計より279億円多い。

上場している日東紡績の株式価値は1,749億円なので、これだけの負債が大きな脅威になるとは考えにくい。 とはいえ、日東紡績のバランスシートが悪い方向に変化しないよう、注視し続ける必要があるのは確かだ。

私たちは、利益に対する負債水準について知るために、主に2つの比率を使っている。ひとつは、純有利子負債を利払い・税引き・減価償却・償却前利益(EBITDA)で割ったもので、もうひとつは、利払い・税引き前利益(EBIT)が支払利息を何倍カバーしているか(略してインタレストカバー)である。 従って、減価償却費の有無にかかわらず、利益に対する負債を考慮する。

日東紡績の純負債はEBITDAのわずか1.3倍であり、汗をかくことなくレバレッジを拡大できることを示唆している。 しかし、本当にクールなのは、昨年1年間で、実際に支払った利息よりも多くの利息を受け取ることができたということだ。 つまり、この会社がキュウリのように冷静でいながら負債を負うことができるのは間違いない。 さらに印象的だったのは、日東紡績が12ヶ月間でEBITを206%伸ばしたことだ。 この成長により、今後の負債返済はさらに容易になるだろう。 負債を分析する際、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし、日東紡績が今後健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 プロフェッショナルの意見を知りたい方は、アナリストの利益予測に関する無料レポートが面白いかもしれない。

最後に、企業は負債を返済するためにフリーキャッシュフローを必要としている。 そのため、EBITがどれだけフリーキャッシュフローに裏付けられているかをチェックする価値がある。 過去3年間で、日東紡績が生み出したフリー・キャッシュフローはEBITの6.6%に過ぎず、あまり良い業績とは言えない。 この低水準のキャッシュ・コンバージョンは、負債を管理・返済する能力を弱体化させる。

当社の見解

幸いなことに、日東紡績の利子カバー率は高く、有利子負債については優位に立っている。 しかし、EBITからフリーキャッシュフローへの転換は逆効果であることを認めざるを得ない。 前述の要因を総合すると、日東紡績は負債をかなり楽に処理できる。 プラス面では、このレバレッジが株主利益を押し上げるが、潜在的なマイナス面は損失のリスクが高まることであり、バランスシートを監視する価値がある。 負債水準を分析する場合、バランスシートは当然始めるべき場所である。 しかし最終的には、どの企業もバランスシートの外側に存在するリスクを含みうる。 例えば、日東紡績には注意すべき 兆候が1つ ある。

もちろん、もしあなたが負債を背負わずに株を買いたいタイプの投資家なら、迷わず当社の純現金成長株リストをご覧いただきたい。