Stock Analysis

高砂熱学工業(東証:1969)のバランスシートは強固だ

TSE:1969
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投資家としてリスクを考えるには、負債よりもむしろボラティリティが一番だと言う人もいるが、ウォーレン・バフェットは『ボラティリティはリスクと同義とは程遠い』と言ったのは有名な話だ。 つまり、賢い投資家は、企業のリスクを評価する際、負債(通常倒産に関わる)が非常に重要な要素であることを知っているようだ。 高砂熱学工業株式会社(TSE:1969)には、負債がある。(高砂熱学工業株式会社(東証:1969)の貸借対照表には負債がある。 しかし実際の問題は、この負債が同社を危険な会社にしているかどうかである。

負債が問題となるのはどのような場合か?

有利子負債やその他の負債が企業にとってリスクとなるのは、フリーキャッシュフローや魅力的な価格での資本調達によって、その債務を容易に履行できない場合である。 最悪のシナリオでは、債権者に支払いができなくなった場合、企業は倒産する可能性がある。 しかし、より一般的な(それでも痛みを伴う)シナリオは、低い価格で新たな株式資本を調達しなければならず、その結果、株主が恒久的に希薄化することである。 もちろん、負債もビジネス、特に資本の重いビジネスにおいては重要な手段となりうる。 企業がどの程度の負債を使用するかを検討する際に最初に行うべきことは、現金と負債を合わせて見ることである。

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高砂熱学工業の負債とは?

高砂熱学工業の有利子負債は2023年12月時点で329億円と、前年の471億円から減少している。 ただし、404億円のキャッシュがあり、それを相殺すると75.3億円のネットキャッシュとなる。

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東証:1969 2024年3月14日発行の有利子負債の推移

高砂熱学工業のバランスシートの強さは?

直近の貸借対照表データを拡大すると、12カ月以内に返済期限が到来する負債が1,375億円、それ以降に返済期限が到来する負債が250億円ある。 一方、現金は404億円、1年以内に期限の到来する債権は1,778億円である。 流動資産は557億円多い

この黒字は、高砂熱学工業が安全かつ保守的な方法で負債を活用していることを示唆している。 短期流動性は十分に確保されているため、融資先との間で問題が生じることはないと思われる。 簡潔に言えば、高砂熱学工業はネットキャッシュを誇っており、負債負担は大きくないと言える!

その上、高砂熱学工業は過去12ヶ月間でEBITを66%成長させており、この成長により負債を処理しやすくなる。 負債を分析する際、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし、高砂熱学工業が今後健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 プロフェッショナルの意見を知りたい方は、アナリストの利益予測に関する無料レポートが面白いかもしれない。

最後に、税務署は会計上の利益を喜ぶかもしれないが、金融機関は現金しか認めない。 高砂熱学工業の貸借対照表にはネット・キャッシュがあるが、金利・税引前利益(EBIT)をフリー・キャッシュ・フローに変換する能力を見る価値はある。 直近の3年間を見ると、高砂熱学工業のフリー・キャッシュ・フローはEBITの22%であり、これは予想より弱い。 このような現金収支の悪化は、負債を処理することをより困難にする。

まとめ

負債を懸念する投資家の意見には共感するが、高砂熱学工業には75.3億円のネットキャッシュがあり、負債よりも流動資産の方が多いことを念頭に置くべきである。 また、高砂熱学工業のEBITは前年比66%増と高い成長率を示している。 では、高砂熱学工業の負債はリスクなのだろうか?我々にはそうは見えない。 高砂熱学工業の株価は、株当たり利益に連動する傾向がある。

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This article has been translated from its original English version, which you can find here.