Stock Analysis
ウォーレン・バフェットは、『ボラティリティはリスクと同義ではない。 だから、ある銘柄のリスクの高さを考えるときに、負債を考慮する必要があるのは明らかかもしれない。 九州電力株式会社(東証:9508)の貸借対照表には負債がある。 しかし本当の問題は、この負債が会社を危険なものにしているかどうかだ。
負債がもたらすリスクとは?
一般的に言って、負債が現実的な問題となるのは、企業が資本を調達するか、自らのキャッシュフローで返済することが容易でなくなった場合のみである。 最悪のシナリオでは、債権者への支払いができなくなった場合、企業は倒産する可能性がある。 しかし、より一般的な(しかし、まだ高価な)状況は、企業が単に負債を制御するために安い株価で株主を希釈化しなければならない場合である。 もちろん、成長資金を得るために負債を利用する企業も数多くあり、そのような場合にも悪影響は生じない。 企業の負債レベルを検討する際の最初のステップは、現金と負債を一緒に検討することである。
九州電力の負債額は?
九州電力の2024年12月時点の有利子負債は3.39億円で、前年の3.85億円から減少している。 一方、現金は2,909億円あり、純有利子負債は約3.10億円となっている。
九州電力の負債について
直近の貸借対照表を見ると、1年以内に返済期限が到来する負債が1.01億円、それ以降に返済期限が到来する負債が3.71億円ある。 これと相殺すると、現金が2,909億円、12ヶ月以内に期限が到来する債権が2,484億円ある。 つまり、負債は現金と短期債権の合計より418億円多い。
この赤字は5,987億円の同社に影を落としており、まるで巨像が凡人の上にそびえ立っているようだ。 そのため、バランスシートを注視することは間違いない。 結局のところ、九州電力は債権者から返済を要求された場合、大規模な資本増強が必要になるだろう。
私たちは、利益に対する負債水準を知るために、主に2つの比率を使っている。ひとつは純有利子負債をEBITDA(金利・税金・減価償却費控除前利益)で割ったもので、もうひとつはEBIT(金利・税金・減価償却費控除前利益)が支払利息を何倍カバーしているか(略してインタレストカバー)である。 このアプローチの利点は、有利子負債の絶対額(EBITDAに対する純有利子負債)と、その有利子負債に関連する実際の支払利息(インタレスト・カバレッジ・レシオ)の両方を考慮することである。
九州電力の有利子負債EBITDA倍率は7.5倍とかなり高く、負債負担が大きいことを示唆している。 しかし、インタレスト・カバレッジは7.0とそれなりに高い。 株主は、九州電力のEBITが昨年53%減少したことに留意すべきである。 このまま減少が続けば、債務返済は菜食主義者の大会でフォアグラを売るよりも難しくなるだろう。 負債を分析する際、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし、九州電力が今後も健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 そこで、将来に焦点を当てるのであれば、アナリストの利益予測を示したこちらの無料レポートをご覧いただきたい。
なぜなら、企業は紙の利益では負債を支払えないからだ。 つまり、EBITがフリーキャッシュフローにどれだけ裏付けられているかをチェックする価値がある。 直近の2年間で、九州電力はEBITの65%に相当するフリー・キャッシュ・フローを記録した。フリー・キャッシュ・フローが利子と税金を除いたものであることを考えると、これは通常の水準である。 このフリー・キャッシュ・フローにより、九州電力は適切なタイミングで負債を返済することができる。
当社の見解
率直に言って、九州電力のEBIT成長率と負債総額の維持の実績は、負債水準にむしろ不安を抱かせる。 しかし、少なくともEBITをフリー・キャッシュフローに変換する能力はかなり高い。 また、九州電力が電気事業に属していることも注目に値する。 全体として、九州電力のバランスシートは事業にとってかなりのリスクであると思われる。 そのため、腹をすかせた子猫が飼い主の釣り堀に落ちるのと同じように、私たちはこの株を警戒している。 負債を分析する場合、バランスシートに注目すべきなのは明らかだ。 しかし最終的には、どの企業も貸借対照表の外に存在するリスクを含みうる。 例えば、九州電力に投資する前に知っておくべき3つの警告サイン(1つは気になる!)を発見した。
結局のところ、純有利子負債から解放された企業に焦点を当てた方が良いことが多い。そのような企業の特別リスト(すべて利益成長の実績あり)にアクセスできます。無料です。
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