Stock Analysis
バークシャー・ハサウェイのチャーリー・マンガーが支援する外部ファンド・マネージャー、リー・ルー氏は、『最大の投資リスクは価格の変動ではなく、資本が永久に失われるかどうかだ』と言って、それを骨抜きにしない。 事業が破綻するときには負債が絡むことが多いので、企業のリスクの高さを調べるときにバランスシートを考慮するのは当然のことだ。 重要なのは、株式会社リコー(東証:7752)である。(東証:7752)は負債を抱えている。 しかし、より重要な問題は、その負債がどれほどのリスクを生み出しているかということだ。
なぜ負債がリスクをもたらすのか?
一般的に言って、負債が現実的な問題となるのは、企業が資本調達や自らのキャッシュフローで容易に返済できなくなった場合のみである。 最悪の場合、債権者への支払いができなくなった企業は倒産する可能性がある。 このようなケースはあまり多くはないが、負債を抱えた企業が、貸し手から苦しい価格での増資を余儀なくされ、株主を永久に希薄化させるケースはよく見られる。 もちろん、成長資金を調達するために負債を利用する企業も数多くあり、そのような企業には悪影響はない。 私たちは、企業の負債の使用について考えるとき、まず現金と負債を一緒に見ます。
リコーの純有利子負債は?
下記の通り、2024年6月時点の有利子負債は3,559億円。グラフをクリックすると詳細が見られます。 ただし、現金は1,847億円あるため、ネット有利子負債は1,712億円となる。
リコーのバランスシートは健全か?
直近の貸借対照表を見ると、1年以内に返済期限が到来する負債が8,307億円、それ以降に返済期限が到来する負債が4,021億円ある。 これらの債務を相殺するために、1,847億円の現金と12ヶ月以内に支払うべき4,957億円の債権がある。 つまり、現金と短期債権を合わせると5,524億円の負債がある。
リコー・カンパニーの時価総額は9,741億円であるため、増資によってバランスシートを強化することは可能だろう。 しかし、その負債が過剰なリスクをもたらしているという兆候には、ぜひ目を光らせておきたい。
企業の収益に対する負債を評価するため、純負債をEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)で割り、EBIT(利払い前・税引き前利益)を支払利息(インタレストカバー)で割って計算する。 このように、負債の絶対額と支払金利の両方を考慮する。
リコー・カンパニーのEBITDAに対する純負債の比率は約1.5であり、負債の使用は中程度であることを示唆している。 また、EBITが支払利息の1,000倍というのは、負債の負担が孔雀の羽のように軽いことを意味する。 一方、リコーのEBITは昨年1年間で14%減少した。 このような収益減少が続けば、同社は窮地に陥る可能性がある。 負債水準を分析する場合、バランスシートから始めるのは当然である。 しかし、リコーが長期的にバランスシートを強化できるかどうかは、最終的には事業の将来的な収益性によって決まる。 プロフェッショナルの意見を知りたい方は、アナリストの利益予測に関する無料レポートが興味深いでしょう。
最後に、企業が負債を返済できるのは、会計上の利益ではなく、冷徹な現金だけである。 そこで私たちは、EBITがフリーキャッシュフローにどれだけ変換されているかを常にチェックしている。 直近の3年間を見ると、リコー・カンパニーのフリー・キャッシュフローはEBITの25%であり、これは予想より弱い。 このキャッシュフローの弱さは、負債の処理を難しくする。
当社の見解
リコー・カンパニーのEBITを成長させる能力も、EBITをフリー・キャッシュ・フローに変換する能力も、債務をさらに引き受ける能力を私たちに確信させるものではない。 しかし、良いニュースは、リコーはEBITで容易に支払利息をカバーすることができるようだ。 上記の要因を総合すると、リコー・カンパニーの有利子負債は事業にとっていくつかのリスクをもたらすと考えられる。 そのため、レバレッジは株主資本利益率を高めるが、ここからさらにレバレッジが高まることはあまり望まない。 負債についてバランスシートから最も多くを学ぶことは間違いない。 しかし最終的には、どの企業もバランスシートの外に存在するリスクを含みうる。 例えば、リコーには 注意すべき兆候が1つ ある。
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