Stock Analysis
村田製作所(東証:6981)の株価収益率(PER)26.5倍は、約半数の企業がPER13倍を下回り、PER9倍割れさえよくある日本の市場と比較すると、今は強い売りに見えるかもしれない。 とはいえ、この高いPERに合理的な根拠があるかどうかを判断するには、もう少し掘り下げる必要があるだろう。
最近の市場は業績が伸びているが、村田製作所の業績は逆噴射している。 PERが高いのは、この業績不振が好転すると投資家が考えているからかもしれない。 そうでなければ、特に理由もなく高い株価を支払っていることになる。
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村田製作所のPERを正当化するためには、市場を大きく上回る卓越した成長が必要だ。
昨年度の決算を振り返ってみると、同社の利益は14%も減少している。 つまり、EPSは過去3年間で合計26%減少しており、長期的にも収益が悪化している。 従って、株主は中期的な利益成長率に暗雲を感じたことだろう。
同社を担当するアナリストによれば、今後3年間のEPSは毎年21%上昇すると予想されている。 これは、市場全体の予想成長率(毎年9.7%)を大幅に上回る。
これを考慮すれば、村田製作所のPERが他社を上回っているのも理解できる。 どうやら株主は、より豊かな未来を見据える可能性のあるものを手放したくないようだ。
要点
一般的に、投資判断の際に株価収益率を深読みしないよう注意したい。
村田製作所が高いPERを維持しているのは、予想される成長率が市場予想よりも高いためである。 現段階では、投資家は収益悪化の可能性がPERの引き下げを正当化するほど大きくないと感じている。 こうした状況に変化がない限り、株価の強力な下支えは続くだろう。
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