Stock Analysis

帝人(TSE:3401)のP/Sに欠ける信頼性

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TSE:3401

日本の化学業界のPER(株価純資産倍率)の中央値は0.5倍近くであるため、帝人 (株)(東証:3401)のPER0.3倍については無関心と思われても仕方がないだろう。 これは眉唾ではないかもしれないが、もしP/Sレシオが妥当でなければ、投資家は潜在的な機会を逃すか、迫り来る失望を無視することになりかねない。

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東証:3401 株価対売上高比率 vs 業界 2024年11月7日

帝人の最近の業績は?

帝人の最近の収益成長は業界並みである。 おそらく市場は、今後の業績が劇的に変化する兆しはないと予想しており、PERが現在の水準であることを正当化しているのだろう。 もしそうなら、少なくとも既存株主は現在の株価で眠れなくなることはないだろう。

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収益予測はP/Sレシオと一致するか?

帝人のようなP/Sレシオが妥当とみなされるには、企業が業界と一致していなければならないという前提がある。

昨年度の増収率を確認すると、同社は3.9%の増収を記録している。 直近の業績が堅調だったということは、過去3年間でも合計で20%の増収を達成できたということだ。 したがって、最近の収益成長は同社にとって立派なものであったと言える。

展望に目を向けると、同社に注目している4人のアナリストの予測では、今後3年間は年率0.8%の成長が見込まれる。 これは、より広い業界の年率5.5%の成長予測を大幅に下回る。

これを考慮すると、帝人のP/Sが他の大多数の企業と同水準にあるのは不思議だ。 どうやら同社の投資家の多くは、アナリストが示すよりも弱気ではなく、今すぐには株を手放したくないようだ。 このレベルの増収はいずれ株価を押し下げるだろうから、この株価を維持するのは難しいだろう。

最後に

一般的に、投資判断の際に株価売上高比率を深読みすることには注意したい。

帝人の増収予想が業界全体と比べてかなり控えめであることを考えれば、現在のPERで取引されていることが予想外であると考える理由は容易に理解できる。 業界に比べて相対的に収益見通しが弱い企業を見ると、株価が下落し、P/Sが低下するリスクがあると考える。 このような状況は、低収益成長がセンチメントに影響した場合、株価が下落する可能性のある現在および将来の投資家にとってリスクとなる。

例えば、 帝人には4つの警告サイン そして 2つは私たちにはあまりしっくりこないサイン)がある。

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