Stock Analysis
投資家としてリスクを考えるには、負債よりもむしろボラティリティが一番だと言う人もいるが、ウォーレン・バフェットは『ボラティリティはリスクと同義とは程遠い』と言ったのは有名な話だ。 つまり、賢い投資家たちは、企業のリスクを評価する際、負債(通常倒産に関わる)が非常に重要な要素であることを知っているようだ。 テルモ(TSE:4543)のバランスシートには負債がある。 しかし、より重要な問題は、その負債がどれほどのリスクを生み出しているかということだ。
なぜ負債がリスクをもたらすのか?
一般的に言って、負債が現実的な問題となるのは、企業が資本を調達するか、自らのキャッシュフローで返済することが容易でなくなった場合のみである。 資本主義の一部とは、失敗した企業が銀行家によって容赦なく清算される「創造的破壊」のプロセスである。 しかし、より頻繁に起こる(しかし依然としてコストのかかる)事態は、企業がバランスシートを補強するためだけに、バーゲン価格で株式を発行し、株主を永久に希薄化させなければならない場合である。 しかし、希薄化の代わりに負債を活用することで、高い収益率で成長に投資するための資金を必要とする企業にとって、負債は非常に優れた手段となり得る。 企業の負債水準を検討する際の最初のステップは、現金と負債を合わせて検討することである。
テルモの負債とは?
下の画像をクリックすると詳細が見られるが、テルモの2024年9月末の有利子負債は1,748億円で、1年前の2,314億円から減少している。 一方、現金は1,949億円あり、ネットキャッシュは201億円ある。
テルモの負債の推移
貸借対照表を拡大すると、12カ月以内に返済期限が到来する負債が2,310億円、それ以 降に返済期限が到来する負債が2,077億円ある。 一方、現金は1,949億円、1年以内に期限の到来する債権は1,657億円。 つまり、現預金と1年以内の売掛金を合わせると781億円の負債があることになる。
つまり、テルモのバランスシートは、負債合計が流動資産とほぼ同額であることから、かなり強固であるといえる。 したがって、同社が資金繰りに苦しんでいるとは考えにくいが、バランスシートを注視する価値はあると思われる。 負債が多いとはいえ、テルモはネットキャッシュを保有しており、負債が多いとは言えない!
また、テルモは昨年、EBITを24%伸ばしており、今後、負債を返済しやすくなるはずだ。 負債についてバランスシートから最も多くを学ぶことは間違いない。 しかし、テルモが今後健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 そこで、将来を重視するのであれば、アナリストの利益予測を示したこの無料レポートをチェックすることができる。
最後に、企業は負債を返済するためにフリーキャッシュフローを必要とする。 テルモの貸借対照表にはネットキャッシュがあるが、利払い前・税引き前利益(EBIT)をフリーキャッシュフローに変換する能力を見る価値はある。 過去3年間、テルモはEBITの54%に相当する強力なフリー・キャッシュ・フローを生み出した。 この冷徹なキャッシュは、同社が望むときに負債を減らすことができることを意味する。
まとめ
企業の負債総額を見ることは常に賢明であるが、テルモのネットキャッシュが201億円あることは非常に心強い。 また、昨年度のEBIT成長率が24%であったことも印象的であった。 では、テルモの負債はリスクなのだろうか?我々はそうは思わない。 テルモに興味がある方は、ここをクリックして、一株当たり利益の履歴をインタラクティブなグラフで確認されたい。
すべてが終わってみれば、負債を必要としない企業に注目する方が簡単な場合もある。読者は今すぐ、純負債ゼロの成長株リストに 100%無料でアクセスできる。
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Terumo
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