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大日本印刷 (東証:7912) の低PERに興奮する理由はない

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TSE:7912

株価収益率(PER)10.5倍の大日本印刷株式会社東証:7912)。(日本の企業の半数近くがPER14倍以上であり、PER22倍以上の企業も珍しくないことを考えると、大日本印刷(東証:7912)は現在、強気のシグナルを送っているのかもしれない。 とはいえ、PERが限定的なのには何か理由があるかもしれないので、額面通り受け取るのは賢明ではない。

このところ市場が業績を伸ばしているのに対し、大日本印刷の業績は逆噴射している。 PERが低いのは、投資家がこの業績不振はもう良くならないと考えているからだろう。 もしまだ大日本印刷が好きなら、そうでないことを願い、人気がないうちに株を拾っておきたいところだ。

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東証:7912 株価収益率 vs 業界 2024年10月11日
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成長は低PERに見合うか?

大日本印刷のようなPERが妥当とみなされるためには、企業が市場をアンダーパフォームしなければならないという前提がある。

まず振り返ってみると、昨年の一株当たり利益の伸びは2.2%減と期待外れで、興奮するようなものではなかった。 しかし、その前の数年間は非常に好調であったため、過去3年間のEPS成長率は合計で335%という素晴らしいものであった。 従って、このまま好調を維持したいところだが、株主は中期的な利益成長率を歓迎するだろう。

同社を担当する3人のアナリストによると、今後3年間のEPSは毎年3.5%ずつ減少し、低迷すると予想されている。 市場が毎年9.6%の成長を予測する中、これは残念な結果だ。

これを考慮すれば、大日本印刷のPERが他の大半の企業を下回るのは理解できる。 しかし、業績の縮小が長期的なPERの安定につながるとは考えにくい。 弱い見通しが株価の重荷となっているため、この株価を維持することさえ難しいかもしれない。

最後に

一般的に、投資判断に際して株価収益率を深読みすることは避けるべきだろう。

予想通り、大日本印刷のアナリスト予想を調べたところ、収益縮小見通しがPERの低さにつながっていることが分かった。 現段階では、投資家は収益改善の可能性が、高いPERを正当化できるほど大きくないと感じている。 このような状況では、近い将来に株価が大きく上昇するとは考えにくい。

他にもリスクがあることを忘れてはならない。例えば、 大日本印刷の注意すべき兆候を1つ挙げて みた。

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