株式分析

ニチアス(東証:5393)のバランスシートは健全か?

TSE:5393
Source: Shutterstock

投資家としてリスクを考えるには、負債よりもボラティリティが一番だと言う人もいるが、ウォーレン・バフェットは『ボラティリティはリスクと同義語とは程遠い』と言ったのは有名な話だ。 事業が破綻するときには負債が絡んでくることが多いのだから、企業のリスク度合いを調べるときにバランスシートを考慮するのは当然のことだ。 ニチアス株式会社(TSE:5393)は、事業において負債を使用していることがわかる。 しかし、この負債は株主にとって懸念材料なのだろうか?

負債はいつ危険なのか?

負債やその他の債務が事業にとって危険となるのは、フリーキャッシュフローや魅力的な価格での資本調達によって、その債務を容易に履行できない場合である。 事態が本当に悪化した場合、貸し手は事業をコントロールすることができる。 しかし、より頻繁に発生する(それでもコストはかかる)のは、バランスシートを補強するためだけに、企業がバーゲン価格で株式を発行し、株主を永久に希薄化させなければならない場合である。 もちろん、有利子負債の利点は、それがしばしば安価な資本であることであり、特に企業の希薄化を高い収益率で再投資する能力に置き換えた場合である。 負債水準を検討する際には、まず現金と負債水準の両方を合わせて検討する。

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ニチアスの負債とは?

下の画像をクリックすると詳細が表示されるが、ニチアスの2024年9月末の有利子負債は148億円で、1年前の236億円から減少している。 一方、現金は624億円あり、ネット・キャッシュは475億円ある。

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東証:5393 負債比率の推移 2024年11月27日

ニチアスのバランスシートの強さは?

最新の貸借対照表を見ると、1年以内に返済期限が到来する負債が639億円、それ以降に 返済期限が到来する負債が139億円ある。 一方、現金は624億円、1年以内に回収期限の到来する債権は698億円ある。 流動資産は544億円で負債を上回っている。

この短期的な流動性は、ニチアスのバランスシートが伸び悩んでいるわけではなく、おそらく簡単に負債を返済できることを示している。 簡潔に言えば、ニチアスはネットキャッシュを誇っており、負債が多いとは言えない!

もう一つの良い兆候は、ニチアスが12ヶ月間でEBITを20%増加させることができ、負債の返済を容易にしていることである。 負債について貸借対照表から最も多くを学ぶことは間違いない。 しかし、ニチアスが長期的にバランスシートを強化できるかどうかは、最終的には事業の将来的な収益性によって決まる。 だから、もしあなたが将来を重視するなら、アナリストの利益予測を示したこの無料レポートをチェックすることができる。

最後に、税務署は会計上の利益を喜ぶかもしれないが、金融機関は現金しか認めない。 ニチアスの貸借対照表にはネット・キャッシュが計上されているが、その現金残高の増加(または減少)を理解するために、金利税引前利益(EBIT)をフリー・キャッシュ・フローに変換する能力を見てみる価値はある。 直近の3年間を見ると、ニチアスのフリー・キャッシュフローはEBITの35%で、これは予想より弱い。 このような現金収支の悪化は、負債を処理することを難しくする。

まとめ

企業の負債を調査するのは常に賢明なことだが、ニチアスには475億円のネットキャッシュがあり、バランスシートも良好だ。 また、昨年度のEBITは前年比20%増と好調であった。 従って、ニチアスの負債利用がリスキーだとは思わない。 他の多くの指標よりも、1株当たり利益がどの程度のスピードで成長しているかを追跡することが重要だと考えている。なぜなら、ニチアスの一株当たり利益履歴のインタラクティブなグラフを無料で見ることができるからだ。

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This article has been translated from its original English version, which you can find here.