株式会社デンソー(東証:6902)の株価収益率(PER)23.8倍は、約半数の企業がPER14倍以下であり、PER9倍以下さえごく普通である日本の市場と比較すると、今は強い売りに見えるかもしれない。 とはいえ、この高いPERに合理的な根拠があるかどうかを判断するには、もう少し掘り下げる必要があるだろう。
最近のデンソーの業績は、他の多くの企業よりも伸び悩んでおり、デンソーにとって有利な状況ではない。 そのため、業績が大きく回復することを期待する向きも多く、PERの暴落を抑えているのかもしれない。 そうでなければ、特に理由もなく高い株価を支払っていることになる。
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デンソーのPERは、非常に力強い成長が期待され、重要なことは市場よりもはるかに良い業績を上げる企業にとって典型的なものであろう。
昨年度の決算を振り返ってみると、同社は1年前とほとんど乖離のない結果を出している。 それでも、直近の3年間は、短期的な業績が思わしくないにもかかわらず、EPSが全体で166%上昇するという素晴らしい結果を出している。 従って、株主はこうした中期的な利益成長率を歓迎したことだろう。
将来に目を移すと、同社を担当するアナリストの予想では、今後3年間は年率30%の増益が見込まれている。 一方、他の市場は年率10%の成長しか見込んでおらず、魅力に乏しいのは明らかだ。
この情報により、デンソーが市場と比べて高いPERで取引されている理由がわかる。 投資家の多くは、この力強い将来の成長を期待し、デンソーの株価に高い金額を支払っても構わないと考えているようだ。
最後に
一般的に、投資判断に際して株価収益率を深読みしすぎないよう注意したい。
デンソーが高いPERを維持しているのは、予想成長率が市場予想よりも高いからである。 現段階では、投資家は収益悪化の可能性がPERの引き下げを正当化するほど大きくないと感じている。 こうした状況が変化しない限り、株価の強力な下支えは続くだろう。
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