Stock Analysis

川崎重工業(東証:7012)は負債が多すぎるのか?

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TSE:7012

バークシャー・ハサウェイのチャーリー・マンガーが支援する外部ファンド・マネージャー、リー・ルー氏は、『最大の投資リスクは価格の変動ではなく、資本が永久に失われるかどうかだ』と言って、そのことを強調していない。 つまり、ある銘柄のリスクがどの程度かを考えるとき、負債を考慮する必要があるのは明らかかもしれない。 川崎重工業株式会社(東証:7012)に注目したい。(川崎重工業株式会社(TSE:7012)の貸借対照表には負債がある。 しかし、この負債は株主にとって懸念材料なのだろうか?

負債がもたらすリスクとは?

負債やその他の負債は、フリーキャッシュフローや魅力的な価格での資本調達によって、その負債を容易に履行することができない場合、企業にとってリスクとなる。 事態が本当に悪化した場合、貸し手は事業をコントロールすることができる。 しかし、より一般的な(しかし依然として高価な)状況は、単に負債をコントロールするために、企業が安い株価で株主を希薄化しなければならない場合である。 もちろん、負債というものは、ビジネス、特に資本の重いビジネスにおいて重要な手段となりうる。 私たちは、企業の負債の使用について考えるとき、まず現金と負債を一緒に見ます。

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川崎重工業の純負債とは?

下のグラフをクリックすると過去の数字が表示されるが、2024年12月現在、川崎重工業の有利子負債は1.09兆円で、1年前の9,714億円から増加している。 ただし、1,453億円の手元資金があるため、純有利子負債は約9,447億円と少なくなっている。

東証:7012 2025年2月27日の有利子負債残高の推移

川崎重工業のバランスシートの健全性は?

直近の貸借対照表によると、12カ月以内に返済期限が到来する負債が19.2億円、12カ月超に返済期限が到来する負債が4,392億円ある。 一方、現金は1,453億円、12ヶ月以内に支払期限の到来する債権は8,831億円である。 つまり、現金と短期債権を合計すると、負債が13.3億円多い。

この不足額が同社の時価総額130億円を上回っていることを考えると、貸借対照表を注意深く見直したくなるのも無理はない。 同社がバランスシートを早急に一掃しなければならないシナリオでは、株主は大幅な希薄化を被ることになりそうだ。

私たちは、純有利子負債をEBITDA(利払い・税引き・減価償却・償却前利益)で割った値と、EBIT(利払い・税引き・償却前利益)が支払利息をどれだけ容易にカバーできるか(インタレスト・カバー)を計算することによって、企業の収益力に対する負債負担を測定します。 従って、減価償却費の有無にかかわらず、利益に対する有利子負債を考慮する。

川崎重工業の純有利子負債はEBITDAの4.9倍であり、レバレッジは大きいがまだ妥当な額である。 しかし、EBITDAは支払利息の約79.3倍であり、このレベルの負債を維持するために高いコストを支払っているわけではない。仮にこの低コストを維持できないとしても、これは良い兆候である。 また、川崎重工業のEBITが昨年の赤字から1,080億円の黒字に改善したことにも注目したい。 負債水準を分析する場合、バランスシートから始めるのは当然である。 しかし、川崎重工業が今後健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 だから、もしあなたが将来に焦点を当てているなら、アナリストの利益予測を示すこの無料レポートをチェックすることができる。

最後に、企業が負債を返済できるのは、会計上の利益ではなく、冷厳な現金だけである。 そのため、金利・税引前利益(EBIT)のうち、フリー・キャッシュフローがどれだけ裏付けされているかをチェックする価値がある。 昨年、川崎重工業は大量の現金を消費した。 これは成長のための支出の結果かもしれないが、負債をはるかにリスキーなものにしている。

我々の見解

川崎重工業のEBITをフリー・キャッシュフローに変換する試みは、確かに熱心ではない。 しかし、明るい面として、金利カバー率は良い兆候であり、楽観的な見方を強めている。 全体として、川崎重工業には十分な負債があり、バランスシートには現実的なリスクがあると言える。 すべてがうまくいけば、それは報われるかもしれないが、この負債のマイナス面は、恒久的な損失の大きなリスクである。 負債のレベルを分析する場合、バランスシートは当然の手始めである。 しかし、すべての投資リスクがバランスシートの中にあるわけではない。 例を挙げよう:我々は、 川崎重工業が注意すべき2つの警告サインを 発見した。

もちろん、もしあなたが負債を背負わずに株を買いたいタイプの投資家なら、迷わず当社の純現金成長株リストをご覧いただきたい。